国産車ミニバン一覧
SUVと並び、日本で人気の高い自動車ジャンルのひとつであるミニバン。1980年代に発売された日産・プレーリーや三菱・シャリオなどをルーツとし、現在では大小さまざまなタイプが販売されているのはすでにご存知の方も多いことでしょう。
ここでは、今注目の国産車ミニバン6車種について特集。コンパクト、ミドル、Lクラスミニバンの代表的な車種の解説をおこなっていきます。ぜひクルマ選びの参考にしてみてはいかがでしょうか。
Contents
国産車ミニバン車種紹介
それでは早速、具体的に国産車のミニバンにはどのような車種があるのか見ていきましょう。
前回の輸入車ミニバンとは対照的に車種も多く、選択肢が広がる傾向にあるのが特徴となっています。迷うところではありますが、クルマのコンセプトが理解できると欲しい車種がおのずと決まってくるでしょう。
では、車種紹介のスタートです。
トヨタ・シエンタ
トヨタがリリースするもっともコンパクトなミニバンが、シエンタです。初代は2003年に登場、その愛くるしいキュートなフォルムと抜群の使いやすさから人気車種となります。2009年に一度生産が中止されますが、翌年には復活し2015年まで販売されるという珍しい経歴の持ち主でもありました。
現行モデルは2015年にモデルチェンジを果たした2代目となり、待望のハイブリッド車もラインナップされています。内外装の質感も大幅に向上し、特に外装デザインに至ってはどこか欧州車のような雰囲気が漂っているのが目を引く点でしょう。もちろん使い勝手も格段に良くなっており、すっきりと格納できるサードシートは荷物を積み込む際にとても重宝します。
実用性とデザインのバランスが非常に良く取れたクルマと言えるでしょう。
ホンダ・フリード
トラム(路面電車)をイメージしたスタイリングが特徴的であったモビリオの後継車として、2008年にデビューしたホンダのコンパクトミニバンがフリードです。
フィットのプラットフォームをベースにしたこのクルマは、キャッチコピーのとおり「ちょうどいい」サイズ感で発売当初から爆発的人気を誇りました。バリエーションも多彩で、ハイブリッド車やアウトドアなどの用途に適した「スパイク」なども販売。さまざまなニーズにきめ細やかに対応した点が、人気の秘密だったと言うことができます。
そして2016年、フリードは2代目へとモデルチェンジ。サイズ感はほぼそのままですが、窓に工夫を凝らすことで明るく開放感のある室内空間を実現しています。安全装備に関しても、先進のシステムを採用するなど抜かりがありません。
日産・セレナ
トヨタ・ヴォクシー/ノア/エスクァイア、ホンダ・ステップワゴンなどと激しいトップシェア争いを繰り広げている日産のミドルクラスミニバンが、セレナです。
現行モデルは2016年に登場し、世界初採用となる同一車線運転支援システム「プロパイロット」などが大きな話題となりました。パワートレインに関しても発売以来進化の手を緩めることはなく、2018年にはシリーズハイブリッドシステム「e-POWER」搭載モデルをラインナップに追加。これはまさに将来のクルマの電動化への道すじに向けた現段階での最適解、と表現することができるでしょう。
また非常にキャラクターの立ったグレード展開をおこなっているのも特徴で、スポーティな走りが魅力の「nismo」やプレミアムラインの「AUTECH」といった個性豊かなモデルが選べるのも楽しみです。
トヨタ・ヴォクシー/ノア/エスクァイア
現在日本でもっとも人気の高いミニバンと言えば、トヨタ・ヴォクシー/ノア/エスクァイアの3兄弟でしょう。古くはタウンエース/ライトエース/マスターエースといったワンボックスのワゴンを祖としており、非常に歴史のあるクルマであると言うことができます。
現行モデルは2014年より販売されており、近年のミニバンのデザイントレンドとなっている「堂々とした風格」を見事にミドルサイズにまで落とし込んでいるのが特徴的です。
2017年にはそれまでのG’sに代わるスポーツモデルとして「GR」を発売(ヴォクシー/ノアに設定)。ミニバンという出で立ちでありながら剛性を大きく高めたボディと空力を見直したエアロパーツを装着することにより、機敏な操縦性と操る愉しさをハイレベルで両立したパッケージングとなっています。
ホンダ・オデッセイ
乗用車とワゴンの良いところだけを抽出し、まったく新しいコンセプトのクルマとして1994年に登場したのがホンダ・オデッセイです。生産設備の都合によって生まれたスタイリングでしたが、低床・低重心であることが市場で受けて一躍人気モデルへとのし上がりました。
このコンセプトは、2013年より販売されている現行モデルでもしっかりと継承されています。2015年には先進の安全運転支援システムである「Honda SENSING」装着に伴う一部改良がおこなわれ、2016年にはハイブリッドモデルが設定されるなど進化の手が緩められることはありません。ハイブリッドシステムにはスポーティな走りが可能な「SPORTS HYBRID i-MMD」が採用されるなど、走りへの情熱にあふれるホンダらしいシステム構成となっているのも特徴的です。
また2017年にはさらに安全装備が充実、商品性がさらにアップしました。
トヨタ・アルファード/ヴェルファイア
2015年の現行モデル発売以来、日本のLクラスミニバン人気の牽引役として君臨しているトヨタ・アルファード/ヴェルファイア。単なるミニバンという枠に収まらない「新しい高級車のカタチ」を表現している点が、その人気の秘密と言えるでしょう。国会議員や地方議員、著名人などの移動手段として多く利用されていることからも、このクルマのステータス性の高さが伺えます。
2017年にはビッグマイナーチェンジが施され、遅れていた安全性能の強化が図られるなど商品性が大幅にアップ。また一部上級グレードのエンジンや駆動系も刷新されるなど、高級車としてさらに質感に磨きがかかりました。特徴的なフロントマスクのデザインばかりについ目が行きがちですが、全体的には非常にバランスの高い仕上がりとなっている点を忘れてはなりません。
国産車ミニバン トピック別比較
さてここからは3つのトピックから、それぞれ上に挙げた車種の比較をしていきます。価格や排気量、そしてサイズ…どのような違いがあるのでしょうか。
どこに重点を置くかでクルマ選びがまったく変わってくるので、注意してみてくださいね。それでは、早速見ていくことにしましょう。
価格比較
モデル | 価格(円) |
トヨタ・シエンタ | 1,689,700~2,465,800 |
ホンダ・フリード | 1,880,000~3,152,200 |
日産・セレナ | 2,435,400~3,821,000 |
トヨタ・ヴォクシー | 2,466,700~3,363,100 |
ホンダ・オデッセイ | 2,980,000~4,150,000 |
トヨタ・アルファード | 3,354,400~7,377,400 |
トヨタのミニバン3台が入っていますが、それぞれが上級車種になっていくにつれて絶妙な価格設定となっているのが分かります。
これはホンダのミニバンにも言えることで「フリードの上級グレードは、オデッセイのベースグレードに余裕で届くんだよなぁ…」という具合です。何を重視するかで選び方が変わるのは先述したとおりですが、価格だけで選んでしまうのは実にもったいないと言えるかもしれません。スペックや室内の広さ、購入後の維持費…多角的に見て、よく調べて購入するのが無難でしょう。
排気量・出力・トルク比較
車種 | 排気量 | 最大出力 (PS/rpm) |
最大トルク (kgf・m/rpm) |
シエンタ G | 1.5L | 109/6,000 | 13.9/4,400 |
フリード ハイブリッドB | 1.5L | エンジン: 110/6,000 モーター: 29.5/1,313~2,000 |
エンジン: 13.7/5,000 モーター: 16.3/0~1,313 |
セレナ e-POWER X | 1.2L | エンジン: 84/6,000 モーター: 136/- |
エンジン: 10.5/3,200-5,200 モーター: 32.6/- |
ヴォクシー ZS 煌 (特別仕様車) |
2.0L | 152/6,100 |
19.7/3,800 |
オデッセイ ハイブリッド アブソルート Honda SENSING |
2.0L | エンジン: 145/6,200 モーター: 184/5,000-6,000 |
エンジン: 17.8/4,000 モーター: 32.1/0-2,000 |
アルファード SC | 3.5L | 301/6,600 | 36.8/4,600-4,700 |
いずれのクルマにもハイブリッド車が設定されているのが特徴ですが、売れ筋となると少し異なってくるのが面白いところです。出力・トルクともにハイブリッド車の方が、優れた数値を出すことが多い傾向にあります。またセレナe-POWERのようなシリーズハイブリッド搭載車は機構上トランスミッションが存在しないので、滑らかで力強い走りを愉しむことが可能です。
価格とのバランスを考えると、今回エントリーしているクルマの中ではもっとも優れたパフォーマンスを誇っていると言うことができるでしょう。
サイズ比較
モデル | 全長 | 全幅 | 全高 |
シエンタ G | 4,235 | 1,695 | 1,675 |
フリード ハイブリッドB | 4,265 | 1,695 | 1,710 |
セレナ e-POWER X | 4,690 | 1,695 | 1,865 |
ヴォクシー ZS 煌 | 4,710 | 1,735 | 1,825 |
オデッセイ ハイブリッド アブソルート Honda SENSING |
4,840 | 1,820 | 1,695 |
アルファード SC | 4,950 | 1,850 | 1,935 |
サイズ的に見れば、シエンタやフリードなどが際立ってコンパクトであることが分かります。しかし実質的に使えるのは、2列目シートまで。3列目はあくまで緊急用と割り切った方が良いでしょう。
ヴォクシーやセレナ以上になると3列目でも快適で、ストレスを感じるシーンは少なくなるでしょう。オデッセイは大きさの割に、3列目に少し圧迫感があるのが気になります。
やはりもっとも居住性が高いのは、アルファード。車体の大きさや車重がそれなりにあって運転には気を遣いますが、走りの滑らかさと豊かな室内空間はきっとすべての乗員を満足させることができるでしょう。
まとめ
今回はコンパクト(シエンタ&フリード)、ミドル(ヴォクシー&セレナ)、Lクラス(アルファード&オデッセイ)というくくりで、6台のミニバンを取り上げました。このほかにも多くの車種が販売されており、まさに群雄割拠の様相を呈しています。
上記3つの要素以外にも、選ぶ切り口はたくさんあるでしょう。ぜひ1台でも多く実車を見て、乗って、感じてみてください。
きっとクルマ選びの基準が変わり、納得のいく選択ができることでしょう。
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