セレナNISMO、ステップワゴンModuloX、ノア/ヴォクシーGRを比較!

今や日本を代表するクルマのジャンルに成長した、ミニバン。各メーカーから様々な趣向を凝らした車種が発売されており、どれもとても魅力的に映ります。
特に最近増えてきたのが「走り」を前面に押し出したモデルたち。
ここでは日産・セレナNISMOやホンダ・ステップワゴンModuloX、トヨタ・ノア/ヴォクシーGRを例に取ってそれぞれを比較してみることにしましょう。実際に購入を検討されている方は、要注目ですよ。
Contents
出力
ミニバンと言えど、「スポーツ」を漂わせるこれらのクルマたち。セダンやハッチバックと比較して、重い部類に属するミニバン。走りが力強いかどうかは特に気になる部分ですよね。
それぞれ詳しく見ていくことにしましょう。
セレナNISMO
まずは、セレナNISMOからです。
エンジンの最高出力は150PS/6,000rpmで、最大トルクは20.4kgf・m/4,400rpmとなっています。ベースモデルであるハイウェイスターと数値こそ変わりはありませんが、このクルマの注目は何と言っても専用に設計されたチューニングコンピューターとスポーツチューンドマフラーが装着されている点でしょう。
モータースポーツのイメージを喚起させる、NISMOの名を冠するにふさわしいハイレスポンスを実現。しかし決してピークパワーだけを狙ったものではなく、どの速度域からも気持ちの良い走りを味わえる懐の深さを見せてくれるところは嬉しいポイントです。
ステップワゴンModuloX
続いてステップワゴンModuloXですが、こちらもベースモデルのスパーダとスペックは変わらず最高出力は150PS/5,500rpm。最大トルクは、20.7kgf・m/1,600~5,000rpmとなっています。特性についてはベースモデルに準じたものになっていますので、たとえModuloXの試乗車がディーラーになくともベースモデルに乗ればイメージができるのは良いところと言えます。
ターボエンジンとトランスミッション(CVT)のマッチングが素晴らしく、どんなシチュエーションでも十分満足できる走りが自慢です。
ノア/ヴォクシーGR
最後に、ノア/ヴォクシーGRも押さえておきましょう。こちらの最高出力は152PS/6,100rpm、最大トルクは19.7kgf・m/3,800rpm。ターボやハイブリッドを用いないコンベンショナルなパワーユニットで、ライバルと比較すると若干高回転型のセッティングが特徴です。気になるのはベースモデルとの相違点ですが、スペック上の違いはありません。
ただマフラーのサウンドチューニングが施されていますので、気分を盛り上げるには十分なものがあると言えます。回して走る、自然吸気エンジンならではの愉しさを味わうのも今となっては貴重な体験。それをミニバンで実現した点は、注目です。
燃費
次は、今やミニバンの重要な比較要素となった燃費について見ていきます。
走りに磨きを掛けた一方で、燃費は下がってしまっているのでしょうか。
通常クルマのカタログの巻末には、スペックの詳細が記載されている「諸元表」がありますね。もちろん今回取り上げるクルマにも諸元表は存在していますが、燃費に関する記述はいっさいありません。これは車両を登録する際の実測値により燃費基準レベルが決定されるためで、メーカーが独自にカスタマイズを行った車両によく見られます。
それぞれ走りの愉しさを前面に押し出したキャラクターになっていますので、サスペンションやタイヤにチューニングをおこなっていることはご存知でしょう。よって燃費に関しては、ベースモデルよりも若干劣ると考えて間違いありません。
参考までに各車種のベースモデルの燃費を下表にまとめておきます。
車種 | ベース車種 | ベース車種の燃費 |
セレナNISMO | セレナハイウェイスター | 17.2km/l |
ステップワゴンModuloX | ステップワゴンスパーダ | 16.0km/l |
ノア/ヴォクシーGR | ノア/ヴォクシーSi | 16.0km/l |
ノーマル車との差/制限
スポーティさを前面に押し出した特別なモデルということで、それぞれのクルマもオリジナルとは違うキャラクターとなっているのが特徴です。
セレナNISMOは、現在日本でもっとも人気の高いレースである SUPER GTを戦うGT-Rのエアロダイナミクスのデータをフィードバック 。ハイグリップタイヤと相まって、高い走行安定性を実現しています。
またボディにも手が加えられ、ドライバーの意思に忠実な操作性を獲得していることも特筆すべき点です。さらに専用セッティングの電動パワーステアリングも、操る歓びをドライバーに提供します。まさにモータースポーツ直系、NISMOらしい仕上がりと言えるでしょう。
空力へのこだわりは、ステップワゴンModuloXも負けていません。
フロントのバンパーを専用のものとすることで最適な空気の流れを作り出し、旋回性能を大幅に高めることに成功 させているのが最大のトピック。もちろん安定感が高まるセットアップとなっているので、ミニバンにありがちなふらつきを抑えることが期待できます。これは同乗者の方にとっては安心できる要素となりますね。ノア/ヴォクシーGRはどうでしょうか。
こちらは フロア下にスパッツを装着することにより、空気をコントロール しています。普段は目にすることのないパーツですが、見た目よりも実を取った玄人好みの効果的なチューニングと言えそうです。またこのフロア下には、ブレース類を装備。開口部の広いミニバンのウィークポイントである、ボディ剛性の問題を克服するのにひと役買っています。
居住性
ミニバンと言えば、高い居住性が最大のセールスポイント。今回取り上げているクルマは「売れ線」ということもあってメーカーがもっとも力を入れて開発しているため、空間効率が非常に高くなっています。
たとえばセレナNISMOの場合、Aピラーを細くすることによって開放感を表現。視界が広がることにより、安全運転にも寄与しています。また座面を高くすることで、すべての乗員の快適な視界が確保されているのも特徴的です。
続いてステップワゴンModuloXですが、ホンダの伝統であるMM(マンマキシマム・メカミニマム=メカのスペースを押さえ、人のスペースを大きく取る)思想に基づいたパッケージングとなっています。さらに床面を低くして、頭上高を最大限に稼ぎ出すことに成功。クラストップレベルの空間を実現しました。
ノア/ヴォクシーGRも、実に細かい点にまで工夫が施されています。その空間の使い方の巧みさは、兄貴分であるアルファード/ヴェルファイアに迫ると言っても過言ではありません。今回取り上げたモデルの中で設計がもっとも古いですが、まだまだ一線級の仕上がりです。
シートレイアウト
ミニバンを選ぶ上でもっとも重視したいのが、シートアレンジ。限られた空間を最大限に活かすべく、どのモデルも実によく考えられたつくりとなっています。
セレナNISMOは8人乗りとなっており、特徴的な「スマートマルチセンターシート」を核とした多彩なシートアレンジが可能です。また2-3列がフラットになるため、ちょっとした休憩にも便利。可能性が広がります。
ステップワゴンModuloXは7人乗りで、3列目シートが床下に格納できるのが注目すべきポイント。そして、リヤのサブドアである「わくわくゲート」からアクセスしやすいシートアレンジが備わるのも見逃せません。2列目をベンチシートに変更して8人乗りとすることはできません。
ノア/ヴォクシーGRも7人乗りがベースとなっていて、すべてのシートで快適な移動が愉しめるのが特徴です。もちろんシートアレンジも多く備わっており、ショッピングやアウトドアでの活躍も期待できます。こちらも2列目がベンチシートの8人乗りを選択することは残念ながらできません。
価格
気になる価格ですが、セレナNISMOは3,419,280円という設定です。一方ステップワゴンModuloXは3,665,000円、ノア/ヴォクシーGRは3,257,280円というプライスタグを掲げています。少々割高ですが、価格以上の満足感を得られることは間違いありません。
3車の中で、ステップワゴンModuloXは3車の中では高めの価格に感じますが、ナビやETC2.0も含んでいる点は注意です。逆にノア/ヴォクシーGR SPORTは若干安く感じますが、セレナとステップワゴンには前車追従の半自動運転システムや自動ブレーキが付いていることを考えると若干世代が古く感じるかとも確かです。
専用装備
最後に、主な専用装備についても触れておきましょう。
セレナNISMO
カテゴリ | 主な装備品 |
外装 | 専用LEDデイライト 専用エアロパーツ(フロントバンパー、グリル、サイドシルプロテクター、リヤバンパー) 専用アルミホイール&POTENZA Adrenalin RE003タイヤ |
内装 | 専用本革・アルカンターラ巻3本スポークステアリング 専用本革巻シフトノブ(レッドステッチ付) 専用コンビメーター&アドバンスドドライブアシストディスプレイ 専用スエード調インストパッド 専用チューニングRECARO製スポーツシート〈前席〉(オプション) |
パフォーマンス | 専用ボディ補強 専用サスペンション 専用スポーツマフラー 専用チューニングコンピューター 専用電動パワーステアリング 専用VDC |
ステップワゴンModuloX
カテゴリ | 主な装備品 |
外装 | 専用ヘッドライト 専用フロントビームライト 専用フォグランプ 専用フロントグリル 専用フロントバンパー&リヤロアディフューザー 専用アルミホイール |
内装 | 専用ブラック コンビシート 9インチ プレミアムインターナビ 専用本革巻ステアリング 専用本革巻シフトノブ |
パフォーマンス | 専用サスペンション |
ノア/ヴォクシーGR
カテゴリ | 主な装備品 |
外装 | 専用エアロパーツ(フロントバンパー、グリル、リヤバンパー) 専用LEDヘッドランプ 専用アルミホイール&POTENZA RE050Aタイヤ |
内装 | 専用ステアリングホイール 専用フロントスポーティシート 専用メーター 本革巻きシフトノブ アルミペダル |
パフォーマンス | 専用剛性アップ&フロア下空力パーツ 専用サブマフラー 専用サスペンション ホワイト塗装ブレーキキャリパー 専用スポーツブレーキパッド 専用電動パワーステアリングチューニング |
以上がそれぞれの車種の専用装備となります。
まとめ
かつてはミニバンと言えば「大きい、重い、走らない」というイメージがありましたが、今回取り上げた車種が出てきたことによりイメージがかなり変わってきたのではないでしょうか。
これほどのチューニングメニューを一般のユーザーが行うのはとても難しく、お金もかかります。そう考えると、非常にコストパフォーマンスに優れたクルマと言い換えることができるでしょう。走りを語れるミニバン、クルマを愛する家族にぜひおすすめですよ。
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