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日産セレナの実燃費がイマイチ!?実燃費のライバル比較と燃費の伸びない理由について解説

日産の5代目セレナ(C27型)は、プロパイロットと快適な室内空間で絶大な人気を誇りますが、燃費の方はライバルである「トヨタ ノア3兄弟」や「ホンダ ステップワゴン」に比べて推しが弱いの、気になりませんか?

セレナの実燃費は相当に悪いのではないかという心配の声も聞きます。

今回の記事では、5代目セレナ(C27型)の実際の燃費を細かく見ていきたいと思います。

カタログ燃費(JC08モード)

まずはカタログ燃費からチェックしてみます。

駆動形式 グレード 燃費(km/l)
FF ハイウェイスターG 16.6
FF ハイウェイスター 17.2
FF G 16.6
FF X 17.2
FF S 15.0
4WD ハイウェイスター 15.8
4WD G 15.0
4WD X 15.8

FFの「S」グレードの燃費が2WDにも関わらず低いのは、Sハイブリッドとアイドリングストップがないから。あとは4WDの方が1割弱燃費が落ちています。4WDの燃費の落ち方は比較的少ない印象ですね。

セレナは全グレードで同じエンジンを使っているので差がわかりやすくていいですね。

Sハイブリッドは大きくはアシストできないため、通常のガソリンエンジンだと捉えれば特段悪い燃費ではないと思います。

街乗りでの実燃費

街乗りでの燃費は、あまり得意ではないようです。

自動車評論家の運転で「11.3km/l」(引用:オートックワン記事「日産 新型セレナで1200kmの実燃費テスト!“辛口評価”にならざるを得ないその理由とは」)を出していましたが、ユーザーの方の口コミを多数見ていると実燃費は8-10km/lという印象です。

ECO運転の上手な人や特に意識して運転すると12-13km/lへ伸ばせる場合もあるようですね。また、4WDモデルの実燃費は1, 2km/l落ちるようですよ(参考口コミはコチラ)。

情報元 燃費(km/l)
オートックワン記事 11.3
口コミ1 12-13
口コミ2 9.5
口コミ3 8-11
口コミ4 8-9

郊外路での実燃費

郊外路では存外に燃費が伸びていて、14-17km/lまで達成できています。

これ位伸びると、フルハイブリッドのライバルモデルとの差も大きくは感じなくなりますね。

情報元 燃費(km/l)
口コミ1 17
口コミ2 14
口コミ3 14以上

高速道路での実燃費

郊外路と比べて高速道路での燃費は下がる傾向ですね。

箱型ミニバンは空気抵抗が大きいため、高速道路で速度が安定して無駄な燃費が抑えられる効果よりも、速度上昇による風の抵抗が増えるデメリットの方が上回ってしまっています。

上述の評論家の測定でも一般ユーザーとの測定値の乖離も少なく、15km/l前後となっていました。

情報元 燃費(km/l)
オートックワン記事 15.1
口コミ1 13-16
口コミ2 13
口コミ3 16

実燃費を比較!

旧モデルと実燃費を比較

旧型のC27セレナ(4代目)に比べてもあまり進化していない印象でした。

エンジンや駆動系の進化はSハイブリッド向けのモーター程度である上、スペック上は2.4PS->2.6PSと大差ありません。あとは低燃費タイヤや空力などの小改良で地道に燃費が向上しているイメージです。

先代モデルから燃費への不満は多くみられますね。実燃費で言うとライバル車のガソリンモデルと大差ないように思いますが、「Sハイブリッド」という名前に多くを期待してしまうのでしょうか。。

 

新型C27 旧型C26
街乗り 8-10 8-10
郊外 16 12-15
高速 15 14-15

ライバルモデルと実燃費を比較

ライバルのガソリンモデルと比較してみます。

セレナは「簡易ハイブリッド」、ノア/ヴォクシー/エスクァイアは「バルブマチック」、ステップワゴンは 「ダウンサイジングターボ」と各社が注力する省燃費技術を使って争った結果、燃費上は大差ないというデータになりました。

少なくとも、ガソリンモデルを選ぶ際に燃費の数値自体は大きなファクターにならないことがわかりました。

燃費よりも、エンジンの特徴や性能の好みで選ぶとしてみてみるとどうなるでしょうか。ノア3兄弟は馬力もトルクも若干勝っていて、ステップワゴンのターボはかなり低い回転数からトルクが盛り上がってくるという特徴を持っています。一方でセレナについては、パワートレーン自体には際立った個性はありません。

燃費や動力ではなく、利便性やデザインでのセレナの魅力を考えてみてはいかがでしょうか。

新型C27セレナ R80ノア RPステップワゴン
街乗り 8-10 8-10 8-10
郊外 16 14-15 12-16
高速 15 15 15

セレナが採用している燃費対策とは

S-ハイブリッド

セルモーターを大型化して、エンジンアシストもできるようにした簡易的なハイブリッドシステムです。

エンジン出力が150PSなのに対して、2.6PSのモーターでアシストすることから想像できる通り、トヨタのハイブリッド車のような大きな燃費改善は見込めません。発進加速のほんの少しをアシストしてもらえる、位に捉えておくべきだと思います。

ハイブリッド車は走行エネルギーを減速時に電力として取り戻す「回生」という機能を持ちますが、この回生の効率もモーターに大きく左右されます。この点からもハイブリッドとしては物足りないものです。

だからハイブリッドとしての燃費を期待すると、ガッカリしてしまうわけですよね。

バッテリーもハイブリット車のような大型のものは付いておらず、普通のアイドリングストップ車と同じようなバッテリーを積むだけです。メインとサブの2つのバッテリーを積むことも、通常のアイドリングストップ車と同じです。

あまり期待せず、私はアイドリングストップ車なんだ位に捉えています。高性能なアイドリングストップ車。そう捉えるといいかもしれませんね。

直噴エンジン

直噴エンジンであるMR20DDが搭載されています。

一時は直噴化自体はかなり前からある技術ですが、 技術の熟成が進み近年は幅広い車種に展開されつつあります。

通常はピストンに空気を取り入れる前にガソリンを混ぜるのですが、直噴エンジンでは空気を取り込み終わったあとにシリンダー内の圧縮された空気の中に「直接」ガソリンを吹き込みます。

燃やしたいタイミングで、燃焼室内の狙ったところにガソリンを吹き込むことができるようになったため、無駄な燃料の消費(低燃費化)や異常燃焼(ノッキング 抑止)を防ぐことができるようになりました。

さらに無駄なくしっかり燃やすことで出力も向上するという優れものです。

初期の頃は様々な不具合があったり、高価だったりとハードルは高かったのですが、近年ようやく広く普及させられるようになったという訳です。

そんな直噴エンジンが、先代から引き続きC27セレナにも搭載されています。

エクストロニックCVT

なんだかすごそうな名前がついていますが、普通のCVTです。

変速幅の拡大やロックアップなど、細かく様々な改良が施されていることはたしかです。しかしそれは他社のCVTでも同じように実施されていること。

特段この「エクストロニックCVT」にしかない大きな技術の目玉はない、と理解しています。。日産の広報資料を読む限りは。

まとめ

5代目となったたC27新型セレナの燃費について、カタログ燃費、実燃費、ライバル比較などを行ってきました。

セレナの燃費はライバルのハイブリッドモデルに比べれば見劣りするものの、ガソリン車同士で比較すれば同等の燃費は確保されていました。

また、郊外の信号の少ない道や高速道路では高い燃費性能を示しているため、ハイブリッド車との差は縮まります。

あなたのミニバンの使い方を今一度振り返ってみて、高価なハイブリッドモデルが必要か考えてみるのもよいかと思います。

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