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実燃費の比較でも間違いなく一級品!ノア/ヴォクシー/エスクァイアのハイブリッドの燃費まとめ

トヨタの3代目ノア/ヴォクシー/エスクァイア(R80型)へ追加された、待望のハイブリッドモデル。あのプリウスと同じハイブリッドシステムTHS-Ⅱが採用されたということもあって、燃費は大いに期待してしまいますよね。

カタログ燃費は当然圧倒的だとして、実燃費はどうなんだろう?苦手が悪化してしまうシーンはあるんだろーか?など、疑問も色々と浮かんできます。

しかも、ライバルの「ホンダ ステップワゴン」にもとうとうハイブリッドが登場しました。ライバルのハイブリッドモデルと比較も気になります。

ということで今回は!

トヨタの3代目ノア/ヴォクシー/エスクァイア(R80型)のハイブリッドの実際の燃費を細かく見ていきたいと思います。

カタログ燃費(JC08モード)

まずはカタログ燃費からチェックしてみます。

駆動形式 グレード 燃費(km/l)
FF Si 23.8
FF G 23.8
FF X 23.8

グレードによらず23.8km/lですね。4WDはラインナップされていません。

ガソリンエンジンのモデルが16.0km/lであることからすると、やっぱりトヨタのハイブリッドはぶっちぎりの低燃費であることを実感します。

1.5倍多くの距離を走れるわけですからね…。

街乗りでの実燃費

まずはハイブリッドの効率が光る街乗りの燃費からチェックしてみましょう。

個人的にオートックワンの燃費レポートは非常に楽しみにしているのですが、このノア3兄弟のハイブリッドモデルは初期型と2017年7月のマイナーチェンジ後の2回に渡って燃費レポートが出されました。それほどに関心が高い車種なんでしょうね。

さらに口コミ情報でのレポートと合わせて読んだのですが、全体的に15km/l以上という高燃費。20km/lなんていう数値も結構見かけました。

オートックワン記事では、19.3km/lと16.6km/lの測定差を測定の季節によってエアコンの稼働状況が違ったことに起因しているだろうと分析しています。マイナーチェンジでも動力系には特筆するような変更は入っていないようですからね。

もちろん運転の仕方や込み具合などで上下するでしょうが、街乗りでは、ガソリンエンジン車が8-10km/l程度であることを考えると2倍近く走るということですから、ハイブリッドの効率の良さは驚異的です。

トヨタは回生ブレーキ(減速時に電気としてエネルギーを回収する機能)の技術が卓越していますから、街乗りで普通に運転しているだけでも多くのエネルギーを回収できているんでしょうね。ガソリンエンジン車のアイドリングストップ以上にハイブリッド車はエンジンを止めておくことができることもあり、街乗りが一番ガソリンエンジンとの燃費差が開くシーンとなっています。

情報元 燃費(km/l)
オートックワン記事(初期型) 19.3
オートックワン記事(MC後) 16.6
口コミ1 16-20
口コミ2 16-17
口コミ3 15-16

郊外路での実燃費

郊外路ではまずまずの燃費です。

20km/l前後をコンスタントに記録できるようですね。1.6tを超える車重と空気抵抗も大きな車体であることを考えると驚異的。

トヨタのハイブリッドシステムTHS-Ⅱは一定速度で巡行するとエンジンが主体となりますが、このエンジンも高効率なアトキソンサイクル。絶対的なパワーが出ないアトキソンサイクルですが、その弱点をモーターが補っている格好です。

最近の高効率エンジンでは、巡行時にはアトキソンサイクルに切り替わる(可変バルブタイミング)ようになってきて燃費の差が縮まりますが、それでもハイブリッド車が優勢であることには変わりありませんね。

情報元 燃費(km/l)
オートックワン記事(初期型) 22.0
オートックワン記事(MC後) 18.3
口コミ1 21

高速道路での実燃費

高速道路での燃費は、郊外路ほどは伸びませんね。

実はハイブリッド車の弱点とも言えるのが高速道路。郊外路に比べてあまり燃費が伸びていないのが下表を見ると実感していただけるかと思います。

大半を一定速度で巡行する高速道路。モーターに使う電力を回収する機会が少ない上に、アシストが効果的になるシーンも限定的。アトキソンサイクルの非力さが裏目に出ることすらあります。

これはプリウスも同じで、欧州のようにペースの早い高速道路は苦手とされています。

対象的に多くのガソリンエンジン車は高速道路が一番伸びます。ノア3兄弟のガソリンエンジンモデルの高速道路の実燃費は15-16km/lですから、その差は3km/l程度まで縮まります。

とはいえ、ガソリンエンジン車との差が縮まるだけであって依然ハイブリッドが優位。

ただし、ペースがあがればあがるほどその差は縮まっていきますから要注意です。(参考口コミ:高速道路のペース毎の実燃費

情報元 燃費(km/l)
オートックワン記事(初期型) 20.7
オートックワン記事(MC後) 19.2
口コミ1 18.5
口コミ2 19
口コミ3 19.8

実燃費を比較!

 

ライバルモデルと実燃費を比較

ライバルのハイブリッドモデルと比較してみます。

ライバル達のハイブリッドモデルの状況は、セレナは「簡易ハイブリッド」をほぼ全グレードで採用し、ステップワゴンは 2017年9月のマイナーチェンジで待望の「フルハイブリッド」が追加されています。

比較してみると、セレナの簡易ハイブリッドは分が悪いですね。これは仕組みも価格も全く違うので仕方ないところ。

ステップワゴンのフルハイブリッドはさすがに肉薄していますね。3月 に測定したヴォクシーと10月末の涼しい日に測定したステップワゴンということで、エアコンの稼働状況はほぼ同じ。多少差が出ていますが、同等の水準と捉えていいのではないでしょうか。

燃費は同程度ですが、非力と評されることもあるノア3兄弟のハイブリッドと比較して、ステップワゴンSPADAハイブリッドはガソリンエンジンよりパワフルなことを特徴として謳っています。ここまで加味すると、さすがに最新モデルのステップワゴンの方が優勢かなと思えます。

新型C27セレナ R80ヴォクシー RPステップワゴン
街乗り 8-10 19.3 19.2
郊外 16 22.0 21.1
高速 15 20.7 19.6

ノア/ヴォクシー/エスクァイアR80系ハイブリッドが採用している燃費対策とは

ハイブリッドシステムTHS-Ⅱ

プリウスやアクア、シエンタなど多くの車種に採用されているトヨタのハイブリッドシステム。

最初の登場こそ2代目プリウスの2003年と古いですが、ずっと改良や他車種最適化が行われて最新型のプリウスでも使われているシステムです。

エンジン、モーター、発電機を遊星ギアで繋げているのですが、この3つのバランスを自由自在にコントロールできることが最大の特徴です。

エンジンは発電に徹するハイブリッド、モーターがアシストに徹するだけのハイブリッド、などハイブリッドには様々な種類がありますが、THS-Ⅱはエンジンとモーターをどちらにも主役にできるパラレル式と呼ばれるタイプ。

原理的に考えると、エンジンとモーターのどちらかを主役に据えると、それぞれが十分なエネルギーを出せる実力が必要です。例えばモーターが主役であれば、モーターは180psなり何なりの出力を出せる性能が必要ですし、それに付随するエンジンも180psに見合ったエネルギーを出せる必要がある。

一方、THS-Ⅱのようなパラレル式では、極論を言うと、エンジンとモーターを合わせた力が十分な性能であればいい訳で、MAXの出力が必要なときだけ90ps + 90psで180psを絞りだせばよく、ふだんは状況に応じて片一方の90psで事足りてしまいます。

つまりエンジンもモーターも軽く、小さく、そして安く作ることができるという特徴を持っています。

ただし、高いパワーをずっと出し続けるのにはエンジンとモーターの2つが頑張り続ける必要があり、バッテリーに頼るモーターは早々に力尽いてしまうと非力なエンジンだけで走ることになります。

しかしながら、両者それぞれがデメリットを克服する工夫を取り入れていて、今では前章のように互角の実力となっています。

ここからは私の推測ですが、モーターとバッテリーが比較的低性能でも事足りてしまうTHS-Ⅱの方がおそらくコストメリットは高いのではないかと思っています。大量生産効果もあってのことですが、同じ実力のものを高利益に提供できるあたりはさすがトヨタだなぁと感じてしまうポイントでもありますね。

まとめ

5代目となったR80新型ノア/ヴォクシー/エスクァイアのハイブリッドモデルでの燃費について、カタログ燃費、実燃費、ライバル比較などを行ってきました。

ノア/ヴォクシー/エスクァイアのハイブリッドモデルの燃費は、ガチンコのライバルであるステップワゴンSPADAハイブリッドと比較しても遜色がないレベルです。

THS-Ⅱの燃費は、市街地、流れの良い一般道や高速道路とどのシーンでも一定以上の燃費が確保されていたことが特徴的でした。エンジンとモーターの得意・不得意をカバーし合い、減速で無駄にエネルギーを捨てることのないハイブリッドならではの特徴です。

しかしながら、あまりに高いスピードを保とうとすると燃費が悪化していく傾向も見られました。この先待ち受ける高速道路の120km制限化においては、さらに悪化する可能性もあるでしょう。

市街地や下道の利用が多く、走行距離が多い場合にもっともハイブリッドの燃費のメリットを感じられるということになります。この特徴と自身のクルマの使い方と照らし合わせて検討すると、よりよいクルマ選びができそうです。

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