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ノア/ヴォクシー/エスクァイアの燃費はいい方なの?実燃費をライバル比較して見えたもの

トヨタの3代目ノア/ヴォクシー/エスクァイア(R80型)は、待望のハイブリッドモデルが搭載されたことが話題となりましたが、売れ筋である普通のガソリンエンジンの方の燃費はいったいどうなの?ということも気になりますよね。

ハイブリッドモデルと比べると燃費の面では影が薄いガソリンエンジン車だし、先代モデルからの引き続きとなるエンジンではありますが、ライバルガソリン車と比較すると今でも戦力は一線級です。

今回の記事では、トヨタの3代目ノア/ヴォクシー/エスクァイア(R80型)の実際の燃費を細かく見ていきたいと思います。

カタログ燃費(JC08モード)

まずはカタログ燃費からチェックしてみます。

グレード名称にいちいち「Honda SENSING」と付いていて読みづらいですが…。

駆動形式 グレード 燃費(km/l)
FF Si 16.0
FF G 16.0
FF X 16.0
4WD Si 14.8
4WD G 14.8
4WD X 15.0

2WDか16.0km/l、4WDが15km/l前後とわかりやすいカタログ値となっています。

カタログ燃費だけ見ると、「ホンダ ステップワゴン」の16.0km/lと同程度、最高17.2km/lを記録する「日産 セレナ」に若干届いていないということになりますが、大きくは差が付いていないとも言えますね。

4WDによる燃費の悪化は1.0km/l程度で、セレナやノアは1.0km/lを下回っていることからすると若干多め。しかし、こちらも大差ないと捉えて問題ないと思います。

街乗りでの実燃費

街乗りでの燃費は、あまり得意ではないようです。

自動車評論家の運転で「11.8km/l」(引用: オートックワン記事のトヨタ 新型ノアSi(ガソリンモデル)燃費レポート)を出していましたが、ユーザーの方の口コミを多数見ていると実燃費は10km/l前後という印象です。

ストップ&ゴーの多い街乗りでは、減速エネルギーを電気として回収できるハイブリッドとは勝負できません。上手に走って10km/lをコンスタントに超えられれば御の字といったところでしょうね。

情報元 燃費(km/l)
オートックワン記事 11.8
口コミ1 8-10
口コミ2 8
口コミ3 10

郊外路での実燃費

郊外路ではまずまずの燃費です。

口コミを眺めている限り、みなさん13~14km/lは出ているようでした。カタログ燃費に近い数字が出ているため、これは納得感があるのではないでしょうか。

情報元 燃費(km/l)
オートックワン記事 14.2
口コミ1 12-13
口コミ2 13-14
口コミ3 13

高速道路での実燃費

高速道路での燃費は、郊外路をさらに上回ってカタログ値に肉薄しています。

オートックワン記事での実験ではカタログ値を上回るほど。ハイブリッドモデルの市街地走行位の燃費に達していますし、これだけ走れば大きな不満は出にくくなるのではないかと思います。

ノア/ヴォクシー/エスクァイアに搭載されるバルブマチックエンジンは低負荷時の効率に優れていますから、その効果がカタログ通りに出たということでしょうね。素晴らしい。

情報元 燃費(km/l)
オートックワン記事 16.3
口コミ1 15
口コミ2 13-15
口コミ3 15超

実燃費を比較!

旧モデルと実燃費を比較

旧型のR70系ノア/ヴォクシー(4代目)に比べると10-12km/lであった燃費が、郊外路や高速道路のような流れがよく巡行できる道においてより伸びるようになっています。

驚くような新技術が入っているわけではありませんが、アイドリングストップの標準装備化や、バルブマチックやオイルポンプの改良、空気抵抗の低減といった地道な改良が効いてきているのだと思います。

CVTも進化して変速比幅がクラストップレベルになっています。つまり、より低回転で巡行できるようになったということを意味していて、巡行時の燃費の伸びに貢献していることは間違いありません。

ライバルモデルと実燃費を比較

 

ライバルのガソリンモデルと比較してみます。

セレナは「簡易ハイブリッド」、ノア/ヴォクシー/エスクァイアは「バルブマチック」、ステップワゴンは 「ダウンサイジングターボ」と各社が注力する省燃費技術を使って争った結果、燃費上は大差ないというデータになりました。

少なくとも、ガソリンモデルを選ぶ際に燃費の数値自体は大きなファクターにならないことがわかりました。

 

新型C27セレナ R80ノア RPステップワゴン
街乗り 8-10 8-10 8-10
郊外 16 14-15 12-16
高速 15 15 15

ノア/ヴォクシー/エスクァイアR80系が採用している燃費対策とは

 バルブマチック

エンジンのパワーの調整は、基本的には空気を吸う量で決めています。

エンジンの空気の吸い口に付けた「スロットル」を、アクセルペダルで開け閉めすることで吸う量を調節するのですが、この仕組みには一つ難点があります。

あまりパワーが要らないシーンでは、言わば細いストローで吸っている状態。細いストローでジュースを飲むと力が要るのと同様に、スロットルを絞った状態で空気を吸うのはエンジンにとって大きな抵抗になってしまうのです。

この抵抗のことをポンピングロスと呼んでいます。

バルブマチックはこのポンピングロスを解消する技術。ストローの太さで吸う量を調節するのではなく、バルブを開ける時間を変化させて空気の吸入量を調整しようという考えです。

パワーがいらないときは太いストローで短く吸い、必要なときは太いストローで長く吸う訳です。

だから、パワーが必要のないシーンで従来のエンジンと差が出るわけですね。

このバルブマチックはロスを減らす技術なので、燃費を改善するのと同時に出力の向上も得られるのが特徴です。ただし、バルブの開閉時間を緻密に制御するのが難しく、高価な部品が必要になることがデメリット。

広くアピールするにはちょっと難しい技術要素ですが、「普通の」ガソリンエンジンと思っていたところに高度な機能が盛り込まれているんですね。

まとめ

5代目となったたR80新型ノア/ヴォクシー/エスクァイアの燃費について、カタログ燃費、実燃費、ライバル比較などを行ってきました。

ノア/ヴォクシー/エスクァイアガソリン車の燃費はハイブリッドモデルに比べれば見劣りするものの、ガソリン車同士で比較すれば同等の燃費は確保されていました。ミドルサイズミニバンはどうしても横並びで比較されてしまうため、同等レベルの確保は必須事項なんでしょう。各社で差がつくことはありませんでしたね。

特に巡行するシーンの多い、流れの良い一般道や高速道路での燃費の伸びが良いのが特徴的でした。このような使い方が多い方は、車体価格の高いハイブリッドを買わなくとも燃費の良さを体感できる可能性がありますよね。

例えば、ベンチシートの8人乗りはガソリンエンジンモデルしか選べませんが、そのガソリンエンジンであっても「平凡な」エンジンなわけではないんだよ、というのが伝われば幸いです。

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