ミニバンAT車の左足ブレーキの使い道
AT車の左足ブレーキは賛否両論別れるところですが、法規では禁止しておらず、訓練した上で使い分ければメリットが大きいというのが私の意見です。
今回は賛否の議論は置いておき。
今回の記事では、「左足ブレーキにはこんな使いみちがあるよ」という観点でご紹介したいと思います。
Contents
左足ブレーキって何さ
一言で言うと、「左足でブレーキ」することです。
普通クルマを運転するときには、特にAT車の場合には左足はフットレストにおいておき、右足でアクセルとブレーキを踏みかえて運転していると思います。それを「右足はアクセル」、「左足はブレーキ」とそれぞれに分担させるのが目的です。
別にレースやラリーの競技のテクニックとしての「左足ブレーキ」もありますが、ここでは扱いません。単に「左足でブレーキを踏むとこんなことができるよ」ということの紹介に留めます。
なんでワザワザそんなことをするのかというと?メリットは次の2点。
- アクセルからブレーキに踏みかえる時間を短縮できる
- アクセルを踏みながらブレーキを踏める
1.は直観的にわかると思います。
でも、2.はどうでしょうか?
同時に踏めるからって何がうれしいのか不明かもしれません。なので、どんなメリットがあるよーってのをこれから書いていきます。
特に今回はAT車、トルクコンバーター付きATでメリットを感じることができる内容をチョイスしました。
いつも左足でブレーキ踏んでるの?
左足ブレーキの議論になると前提としてすれ違うのが、「いつも左足でブレーキを踏んでいる」のか「必要な時だけ左足を使う」のかということ。
私は必要なときだけ左足ブレーキを使う派です。右足でブレーキを踏むこともあります。
基本的には、街乗りや駐車場など少しでも早くブレーキを踏める状態にしたいときは左足でブレーキを踏みます。
高速道路や郊外のバイパスなど、フットレストを使ってリラックスしたいときには右足でブレーキを踏みますかね。とはいえ、高速道路でも渋滞時には左足を使います。
というように適材適所で使い分けていますよ。
まずはリスクも少なく、試しやすいものから
はじめて左足でブレーキを踏むと、慣れないとブレーキをガツンと踏み過ぎてしまいます。あと、踏みかえしていた習慣とごっちゃになってしまう方もいるかもしれません。
なので、そういった心配のない使い道から紹介してみます。
あらかじめ左足でブレーキを踏んでクルマを止めておきながら、右足でアクセルをほんの少ーーーしだけ踏んでクルマを進みたい状態にしておき、左足は「ブレーキを緩める」方向でそっと抜きます。
「抜く」方向の調整なので、ガツンと踏んでしまうリスクがないです。MTの運転経験がある方は、クラッチワークに似た感覚を覚えると思います。
では、具体的な使い道がコチラ。
駐車時のパワーコントロール
駐車時に段差があるときなど、クリープのトルクだけでは段差を超えられず、かといってアクセルを吹かすと段差を乗り越えた後に下がり過ぎるリスクがあるとき。
一軒家の駐車場など、車止めがなくて壁にぶつかりそうで心配なときに重宝します。
ブレーキを左足で踏んで、アクセルを右足で少し開けてトルコンに力を掛ける。その後ブレーキの緩め加減で段差をクリア。
クリアした後は、アクセルを戻すことで自然に止まります。
メリットは次の2点。
- 進み過ぎを感じたら、踏み変えなしに「即座に」ブレーキを踏めます。
- トルコン特有の急激なトルクの立ち上がりを避け、ブレーキの抜き加減でリニアにトルクを調整できる。
人間ブレーキホールド
坂道発進です。
屋内駐車場へのアプローチの坂道でよく使っています。
まずは、右から左足へ踏みかえて準備します。AT車はブレーキが横方向に広いため、一時的に両足でブレーキを踏めば簡単に左足ブレーキに踏み変えられます。ちなみに、私は止まる時点ですでに左足で停車させます。
- アクセルを少し踏みトルコンにトルクを伝達させておく。
- 後退しないようにブレーキを抜きながら、必要に応じてアクセルを調整して発進。
急な坂道でも後にずり下がることなく再発進できます。
ブレーキホールドアシストがある場合は必要ないです。はいw
慣れてきたら徐行運転に取り入れ
上述のゆっくりブレーキを抜く操作は割とすぐできるんですが、左足でブレーキを「踏む」のは慣れが必要かと思います。安全なところで練習が必要ですね。
コツは踵を床に付けることと、母指球で踏むことかな。右足でできていることが、左足になると忘れちゃってることがあります。練習の時にはチェックしてみてください。
あとは緊急時の急ブレーキのときはカカトを上げてガツンと踏み込まないと踏力が足りないかもしれません。この辺りも練習のときに考えてみてください。
特にメリットを感じるのは次のシーン。
街中のソロソロ運転
細い路地や駐車場の通路などで使います。あとは荷下ろししているトラックの横を追い越すときにも。
誰か飛び出してくるかもなー、という危険が予測されるときは左足をブレーキに乗せながら徐行します。
こうしておくことで、判断から間髪入れずにブレーキ踏めます。
このメリットのために左足ブレーキを推奨する方も多いですね。
さらにマニアックに
ここからはマニアックな左足ブレーキの使い方です。
マニアックな方向けなので、専門用語もそのまま書いてしまいます。
トルコンによるアクセル操作からワンテンポ遅れる感じ、嫌いな方も多いのではないでしょうか。
このタイムラグを殺したいときにも左足ブレーキを使うことがあります。
コーナーでブレーキングからなめらかにパーシャルへ移行
コーナリングにおいて、ブレーキを抜きながらハンドルを切ったあと、アクセルをパーシャルにして前後荷重をバランスさせたい(バランススロットル)ようなシーンで。
トルコンATだと、ブレーキからアクセルへの踏み変え時にトルクが掛かりだすまでのタイムラグが気になるときがあります。別に支障があるわけではないんだけど気持ち良いものではないんですよね。
ブレーキングでアクセルオフしている間にトルコンのスリップ率が上がっているんじゃないかと想像しています。
私はブレーキをリリースする直前でアクセルオンをオーバーラップさせています。パーシャルに移行する前にアクセルを踏んで、トルコンにトルクを掛けて準備させておくイメージ。そうすると、このトルク抜けを殺すことができます。
別に必要でもなく、速く走れるわけでもありません。
滑らかにGが繋がることによる自己満足です。。
余談ですが、マツダのSKYACTIV-Dでは広範囲でロックアップすることがウリですが、このトルク抜けは生じないんだろうか…。
アクセルを踏んだままブレーキを少しあてる
トルコンATだと微小なアクセルオフと再度アクセルオンについてこないようなラグが出るときがあります。
例えば街中のブレーキを踏むまでもないコーナーなどで、一瞬だけアクセル抜いて荷重を移してやりたいと思ったとき、再度アクセルを踏み込んだときについてこないんですよね。。これもトルコンの滑りが原因だと思っています。
こんなときは、アクセル操作の代わりにほんの少しブレーキを当ててやれば、ちょっとした減速Gを作れます。
ブレーキをリリースすればすぐに元のアクセル開度に。
前進方向にトルクがかかったままなのでトルコンの滑り感は感じません。
競技目的の左足ブレーキの用途に近いかもしれませんね。ターボの過給を途切れさせないようにチョンとブレーキを踏んで荷重をフロントに戻す、ような。
まとめ
今回は左足ブレーキが有効だと思えるシーンをいくつか取り上げてご紹介してみました。
左足ブレーキを推奨するわけではありませんが、興味がある方へメリットをお伝えすることができたならうれしいです。
最初は慣れないとギクシャクするので安全な場所で練習してみることを忘れずに。でも難しいことはなく単なる「慣れ」なので、その点はご心配なく。
ともすればAT車の運転はつまらないと思われガチな側面もありますが、左足ブレーキのように「やることを増やしてやれば」意外と楽しめるものです。家族サービスの運転が退屈だと感じる方は、試してみるのも一興です。
最後に。
私はいつからはじめたか分からないくらいずっと左足ブレーキです。9割は左足を使っていると思います。
実は難点もあり、足が右側に寄りがちになること。アクセルは当然右側だし、ブレーキも真ん中あたりですもんね。左右のバランスが悪くなります。
バチッとバケットシートで身体を止めておけば問題ないのですが。でも、まぁ常に左足をブレーキに乗せているわけではないので妥協しています。
マツダ車は左右のバランスを取ったドライビングポジションを追及しているそうですが、左足ブレーキでもバランスが取れるようにしてもらいたいものです。(無理なのわかって言ってますw)
では!
イチオシ記事!!
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