親子で行きたい!スーパーフォーミュラ観戦入門
モータースポーツにはさまざまなジャンルがあり、国内でも多くのレースが開催されています。その中でも近年注目を集めているのが「スーパーフォーミュラ」と呼ばれるレースです。
ここではそのスーパーフォーミュラについて詳しく解説していくとともに、今シーズン注目のドライバーにも迫っていきます。実際に観戦する前のお役立ち情報が満載ですので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
Contents
スーパーフォーミュラとは
スーパーフォーミュラのルーツをたどると、1973年に初開催された全日本F2000選手権にまでさかのぼります。その後全日本F2選手権→全日本F3000選手権→フォーミュラ・ニッポンと変遷を経て、2013年より現在の名称・車両規格となりました。
見どころは何と言っても国内外のトップドライバーが集い、日本最速の男を決めるという部分にあります。様々なジャンルを経験した熟練ドライバーや、近い将来海外のレースにステップアップするであろう若い勢力がガチンコで戦う様は観る者の心を熱くさせてくれること間違いなし。
近年はF1にも近いカテゴリーと呼ばれるようになり、レース関係者からの注目度も俄然高まっているのです。
レギュレーション概要
①マシンやタイヤはワンメイク
スーパーフォーミュラの最大の特徴は、チームが違っていてもシャシー(車体)やタイヤはメーカーが同一であるという点です。
シャシーは2014年よりイタリアのダラーラ社がスーパーフォーミュラの規定に則って製作した「SF14」を使用、タイヤは2016年より横浜ゴムが独占供給するスタイルを取っています(2013~2015年はブリヂストンのワンメイク)。
ちなみに搭載されるエンジンはトヨタとホンダが供給していますが、スペックは2リッター直列4気筒ターボと決められており、最高出力も燃料リストリクター(通称「燃リス」)によって厳しく制限されるなどメーカーの違いによっての有利不利は(あくまでもレギュレーション上は)存在しません。
②1レースの距離は最長300km
レース距離は最短110km、最長300kmと決まっており、最終的に主催者側がイベントごとに距離を決定する決まりとなっています。
ただし1日2レース制としておこなわれる場合はこの限りではなく、1レース最短75km、最長180kmとし、2レースの合計が300kmを越えない範囲で組み立てるように規定されている点に注意が必要です。
ちなみに2018年は2レースでの開催イベントはなく、すべて1日1レースとなります。
⓷レースを面白くする「オーバーテイクシステム」
スーパーフォーミュラ独自のレギュレーションとして挙げられるのが「オーバーテイクシステム」の存在です。
その名のとおり前走車を追い抜くためのもので、1レースにつき5回使うことができます。仕組みとしては、ドライバーがシステムを起動すると燃料の流量が増加してエンジンの出力がアップ(一般的には50PS程度)するというものです。作動状況は車体ロールバー部分に設置されたLEDランプが点灯することで、観客からも簡単に確認できます。
ユニークなのは、オーバーテイクボタンを押してから5秒後に発動するということ。これは後走車が追い越そうとしたときに前走者もオーバーテイクシステムを用いてブロックするということを防ぐための策で、より白熱したバトルを見られるようにという配慮に由来しています。
レース観戦初心者におすすめなポイント
やはりF1と同じオープンホイールでおこなわれるレースということで、まずそのスピードとエンジンサウンドに圧倒されることでしょう。最初はその迫力を近くで味わう、というところに意味があると思います。「クルマって、こんなに速いんだ!」と感じていただければ、あなたも立派なレース好きの仲間入り。
サーキットの特性に応じたエアロパーツの調整など細かく見ていけば見ていくほどよりマニアックに、より楽しんで観ることもできますが、はじめのうちはまずお目当てのドライバーやチームを見つけて応援するというスタイルのほうがなじみやすいでしょう。
SUPER GTなどにも参戦しているドライバーも多くエントリーしていますので、そういった選手を追いかけるというのも楽しいですよ。
子供達が観戦するのにうれしいポイント
お子様と一緒にレース観戦がしたい、という方におすすめなのが「キッズピットウォーク」。土曜日の予選終了後の夕方におこなわれるイベントで、親子連れ限定でピットに入ることができます。
憧れのドライバーと一緒に写真を撮ったりサインをもらったり、限定のチームオリジナルグッズをゲットできる絶好のチャンスです。国内最速のマシンを近くで見ることもできるので、クルマ好きのお子様にはたまらない時間となるでしょう。
このほかにもサーキット内には協賛スポンサーのブースが並び、お祭りムードが漂っています。屋台などもたくさん出ていますので、おいしいものを食べながらそれらのブースをめぐるというのもおすすめの観戦スタイルです。
レース観戦するなら
ここからは、より具体的にレースを観戦してみたいという方への情報をご紹介していきます。
おもに国内でも知名度の高いサーキットで開催されますので、クルマ好きの方なら一度は聞いたことのあるところも出てくることでしょう。ぜひチェックしてみてくださいね。
開催スケジュールと価格
2018年のレースの開催日程と場所は以下のようになっています。チケット価格は前売り、大人1枚の価格(土日共通)です。第3戦以降は昨年の価格をご参考として載せています。購入の際には事前に正式価格をご確認ください。
日付 | 開催内容 | チケット価格 |
5/12~13 | 第2戦 オートポリス(大分県) | 4,860円 |
5/26~27 | 第3戦 スポーツランドSUGO(宮城県) | 5,200円 |
7/7~8 | 第4戦 富士スピードウェイ(静岡県) | 5,700円 |
8/18~19 | 第5戦 ツインリンクもてぎ(栃木県) | 5,000円 |
9/8~9 | 第6戦 岡山国際サーキット(岡山県) | 5,400円 |
10/27~28 | 最終戦 鈴鹿サーキット(三重県) | 4,000円 |
レース観戦の仕方
SUPER GT観戦の時と同様、国歌斉唱の時の起立・脱帽を除けば基本的には自由です。お手製の応援フラッグを作ってみたり、贔屓のチームの応援団に交じって声を張り上げるのも楽しいかもしれません。やはりここでも、まずは本人が楽しむことが一番重要です。
細かなレギュレーションを覚えたりするのは、その後でも決して遅くはないでしょう。ただ少し事前に知識を入れておきたいという方には『auto sport(三栄書房刊)』などのモータースポーツ専門速報誌などを購読するという方法もあります。
もう少しディープにスーパーフォーミュラを楽しみたいという方のために、ここからは今年のシリーズを観る上で知っておきたい豆知識をご紹介します。
これを読めば、あなたも今日からスーパーフォーミュラ通の仲間入りですよ。
知っておきたいドライバー
関口 雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)
今や若手の域を脱し、ベテランへの仲間入りを果たしたドライバーが関口雄飛です。今シーズンも名将・星野一義監督率いるTEAM IMPULより参戦。しばらく低迷期がありましたが、本人のガッツあふれる走りで開幕戦鈴鹿では2位入賞。やんちゃな一面もあり、それが今季の成績にどう反映されるかが注目となります。
ピエトロ・フィッティパルディ(UOMO SUNOCO)
元F1チャンピオンであるエマーソンを祖父に持つ、由緒正しきレーシングドライバー一家で育ったドライバーがピエトロ・フィッティパルディです。国内でのレース経験が皆無にひとしいため実力は未知数ですが、今期より所属するチームルマンの監督に就任した片岡龍也氏の指導の下どのような走りを見せてくれるのか興味が尽きません。
福住 仁嶺(TEAM MUGEN)
現在もっとも日本人ドライバーでF1に近い男と言われている、福住仁嶺も要注目です。今シーズンはスーパーフォーミュラの他にもF2へ参戦。モータースポーツ界の「二刀流」で、来季トップカテゴリーへの昇格を虎視眈々と狙っています。惜しくも開幕戦は完走することはなりませんでしたが、その実力の片鱗を見せつけてくれました。
松下 信治(DOCOMO DANDELION)
F1への距離が近いドライバーと言えば、松下信治も忘れてはなりません。2016年にはGP2に参戦する傍らマクラーレンのテストドライバーを務めた、若手ながら欧州での評価がとても高いドライバーです。今シーズンはスーパーフォーミュラ一本に絞り、最短2年でのスーパーライセンス(F1参戦のための資格)発給を目指します。
2018年のシリーズを見るポイント
今シーズンのスーパーフォーミュラを観る上で重要になってくるのは、タイヤの使い方でしょう。
タイヤを供給する横浜ゴムが2016年より試験的に数レースで導入していた「2スペックタイヤ制」が、いよいよ本格導入されることになりました。柔らかめのソフトタイヤと硬めのミディアムタイヤを1レースで必ず1セットづつ履かねばならず、最低1回はピットでの作業が必要になります。これによりチームの戦略の幅が広がり、観る側もよりエキサイティングなバトルを楽しむことができるというわけです。
レースを観る際は、ピット作業にもぜひ注目しながら観ていってください。
まとめ
今やF1に迫るスピードを見せる、スーパーフォーミュラ。今季はついに、昔のF1が持つ記録を超える時が来るかもしれません。第6戦に予定されている岡山の予選で、オーバーテイクシステムの発動が解禁されるのです。これにより、1994年にアイルトン・セナが記録した1分10秒218というタイムが更新される可能性があります(現在のスーパーフォーミュラの岡山での最速タイムは、石浦宏明が2015年に樹立した1分12秒429)。
こういった意味でも、今シーズンのマシンやドライバーから目が離せませんね。
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