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親子で行きたい!SUPER GT観戦入門

 2018/05/03 カーライフ  

さまざまなスポーツが新シーズンを迎える中、今年のモータースポーツもいよいよ本格的にスタートしました。

国内でも魅力ある多くのカテゴリーで、百戦錬磨のベテランドライバーと将来有望な若手ドライバーがしのぎを削っています。その中でも特に人気が高いのが「SUPER GT」と呼ばれるレースです。

このSUPER GT、人気の秘密はどこにあるのでしょうか。レース観戦初心者の方や親子で観戦する方向けに、なるべく分かりやすくまとめてみました。

観戦の予習に、ぜひ役立ててみてくださいね。

SUPER GTとは

SUPER GTの起源は、1993年に開催された「全日本GT選手権レース」と言われています。その翌年からは、本格的にシーズンがスタート。「全日本GT選手権(JGTC)」として、当時人気カテゴリーであった「全日本ツーリングカー選手権(JTCC)」と並ぶ国内ツーリングカーレースの最高峰と位置づけられて人気も急上昇します。

もともとは、1993年まで行われていた「全日本ツーリングカー選手権(JTC)」で使用されていた日産・スカイラインGT-Rに再び活躍の場を与えることが目的で始められたシリーズという意味合いも含まれていました。しかし、年を追うごとにエントラントが急増。さまざまなマシンが出場するようになり、観客動員数も増加します。2005年には将来の国際シリーズ化をにらみ、現在の「SUPER GT」に名称を変更。

さらに2014年からは「ドイツツーリングカー選手権(DTM)」とのレギュレーション共用に向けた施策がなされ、2019年秋以降に日独でエキシビジョンレースも開催される予定となっています。

見どころ

SUPER GTの見どころは数多くありますが、一番は何と言っても「市販車と同じようなスタイルのマシンが、超高速で異次元のバトルを繰り広げる」という点に尽きるのではないでしょうか。詳細は後述しますが、確かに見た目は市販のクルマに似通った部分もあります。しかしマシンのほとんどはレース専用に造られたもので、その迫力が普通のクルマとは比べものにならないというところも人気の秘密と言えるでしょう。

スピード、サウンド、そして一瞬たりとも目が離せない壮絶なバトル…これらが三位一体となり、SUPER GTの面白さを作り出しているのです。

レギュレーション概要

ここからは、SUPER GTを観戦するうえでポイントとなるルールについていくつかピックアップしていきます。場内やTVの実況などでもたびたび触れることのあるワードですので、ぜひ覚えておくと良いでしょう。

①出場マシンはふたつのクラスに分けられる

SUPER GTは車両のエンジンパワーの違いから「GT500」「GT300」というふたつのクラス分けがなされています。

「GT500」は最高出力500PS程度のマシンを指し、事実上メーカーの看板を背負った「ワークス」と呼ばれるチーム同士のバトルとなっているのが特徴です。エンジン排気量やモノコック、空力デバイスに至るまで厳しい制限が存在し、先述のようにDTMと将来的にレギュレーションを共用化されることになるのがこのクラスとなります。

一方で「GT300」はマシン、ドライバーともに実に多彩なラインナップを誇るのが魅力。最高出力300PS程度のマシンで争われ、たとえばトヨタ・プリウス vs. アウディ・R8といった普通では考えられないようなマシン同士のバトルも観ることができます。

GT500、GT300車両の見分け方は、至って簡単。ヘッドライトの色やゼッケン、フロントガラス上部に貼られたステッカー(通称「ハチマキ」)が白地なのがGT500、これに対しGT300はそれらがイエローとなります。

②ドライバーは、原則ふたり以上

JGTC黎明期はドライバーひとりでも出走することはできましたが、現行のSUPER GTではドライバーは原則1チームにつき二人以上登録する必要があります。

レース中ピットインして、最低1回はドライバー交代をしなければなりません。予選はどちらが走るのか、セッティングはどちらのドライバーに合わせるのか、タイヤの特性や燃費も考えながらドライバーは走る必要があるので、とても難しいレースと言えるでしょう。

③勝負を分ける「ウエイトハンデ」と「燃リス」

SUPER GTでは、レースで獲得したポイントに応じて「ウエイト」と呼ばれる錘(おもり)やエンジンの出力を制限する「燃料リストリクター(通称「燃リス」)」の装着が義務付けられています。これは特定のマシンやドライバーが勝ち続けることを防ぎ、常に拮抗したバトルが観られるようにということに由来するものです。

2018年シーズンからは燃リスによる制限がさらに厳しくなり、どのチームもピークパワーを向上させるのが課題となるでしょう。

レース観戦初心者におすすめのポイント

先述しましたが、やはりこのレースの魅力は「 市販車のシルエットを残したマシンが、クラスの違いを問わず至るところでバトルを繰り広げている 」というところに尽きるでしょう。

たとえばフォーミュラのようなオープンホイール系のレースはマニアでない限り違いが分かりにくく、少し敷居が高くなってしまいます。しかしSUPER GTの場合は見た目が普通に街中で見られるクルマがスタイリングのベースとなっており、非常に親近感が湧くのがポイントです。

まさに「クルマの運動会」といった感じで、バラエティ豊かなマシンが目や耳を楽しませてくれます。

子供達が観戦するのに嬉しいポイント

SUPER GTを楽しめるのは、大人だけの特権ということはありません。子供が一緒に行っても楽しめるコンテンツがとても充実しています。

そのひとつが「サーキットサファリ」。

サーキットを観光バスが走り、その横をGTマシンが走るというイベントです。安全に十分配慮されているためレーシングスピードではありませんが、本物のマシンがすさまじいサウンドを響かせながら通り過ぎていく様はまさに圧巻。レーシングカーの凄さが手に取るように分かるでしょう。

そしてもうひとつは「キッズウォーク」。

従来からレース前にピットを開放してドライバーやマシンと触れ合える時間は設けられていましたが、近年では予選終了後に親子連れ限定でのピットウォークがおこなわれるようになりました。チームによっては限定のグッズが配布されるなど、こちらも親子連れならぜひチェックしておきたいイベントです。

さらにコース外にも多くの協賛企業のブースが並び、キッズカート教室やドライバーのトークショー、さらには自動車メーカー系のチューニングカーが置かれるなど、1~2日いてもとてもすべてのイベントを網羅することはできないくらい楽しいイベントが盛りだくさんとなっています。

また祭の縁日のようにたくさんの屋台が軒を連ね、そこでしか食べられない「ご当地グルメ」が手軽に味わえるのも魅力のひとつと言えるでしょう。

レース観戦するなら

さて、ここまで読んできた方の中には実際にレースを観戦してみたい!という気持ちになった方も多くいらっしゃることでしょう。ここからは、実際にレースを観戦するにはどうすれば良いかという点について解説していきます。

開催スケジュールとチケット価格

今シーズンの今後の開催スケジュールは、以下のとおりです。

日付 開催内容 チケット価格
5/3~4 第2戦 富士スピードウェイ(静岡県)  5,700円
5/19~20 第3戦 鈴鹿サーキット(三重県)  5,700円
6/30~7/1 第4戦 チャーンインターナショナルサーキット(タイ)  2,000バーツ
8/4~5 第5戦 富士スピードウェイ(静岡県)  5,700円
9/15~16 第6戦 スポーツランドSUGO(宮城県)  5,200円
10/20~21 第7戦 オートポリス(大分県)  5,400円
11/10~11 最終戦 ツインリンクもてぎ(栃木県)  5,200円

チケット価格はサーキットにより異なります。上の表には参考でに2017年の価格(二日間有効、大人一名分)を載せておきました。観戦の際には、事前にSUPER GTオフィシャルホームページをチェックしてくださいね!

レース観戦の仕方

特にこうしなければならない、という形式ばったものはレース前の国歌斉唱(起立し、脱帽)の時以外はほとんどありません。このあたりは、野球やサッカーの試合を観戦するように「まず本人が楽しむこと」が大事なのです。

そのためにまずは、お気に入りのチームやドライバー、マシンを事前に決めてしまうというのも良いかもしれません。「あのマシンのカラーリングがカッコいいから」「あのドライバーはイケメンだから」という理由でも全然OK。

タイヤマネジメントがどうとか、ピット戦略がどうとかという話はとりあえず置いておいて構いません。またピットウォークなどのイベントは子供優先、ゴミは必ず持ち帰るなどのマナーも大切にしましょう。 さらにサーキットは比較的人里離れた場所にあることが多いため、天気が変わりやすい点も注意が必要です。雨具(ポンチョなど)や防寒着もお忘れなく。 

レース観戦のポイント

ここからは、今シーズンのSUPER GTを観る上でぜひチェックしておきたいポイントをまとめていきます。

知っておきたいドライバー

平川 亮(GT500)

20170510 ELMS Monza” by JuliaBonnet – license

昨シーズンのGT500クラスチャンピオンで、今レクサス勢の中でも乗りに乗っているドライバーである平川。ヨーロピアン・ル・マンシリーズ(ELMS)やル・マン24時間にも参戦するなど、若手でありながら海外レース経験も豊富で「技の引き出し」が非常に多いのが持ち味と言えます。

開幕戦の岡山は優勝こそできませんでしたが、相棒のニック・キャシディとの絶妙なコンビネーションで3位入賞。今後も活躍が期待できます。

 

ジェンソン・バトン(GT500)

言わずと知れた、 2009年のF1ワールドチャンピオン 

今シーズンからは、本人が切望していたSUPER GTへの参戦がついに実現しました。所属チームは、日本のモータースポーツ黎明期から活躍した名伯楽・高橋国光氏が率いるチーム国光。

潜在能力は十分にありながらも最近は今ひとつ波に乗れていない感のある山本尚貴を、元F1トップドライバーがどう育てていくか。そして自身も、ポジションの入れ替わりの激しいレースをどう戦いぬいていくのかが注目と言えるでしょう。

 

高星 明誠(GT500)

日産自動車のレーシングドライバー育成プログラムである「NDDP」から2015年にGT300クラスでデビューしたのが、高星明誠です。デビューイヤーからいきなり2勝を上げるなど、その実力は折り紙付き。さらに昨年は全日本F3でもチャンピオンに輝くなど、スタードライバーへの階段を着実にのぼっていっています。

今シーズンからは名将・近藤真彦監督が率いるKONDO Racingより、待望のGT500クラスへ昇格。プライベートではレースの様子などをファンに伝える、彼のInstagramにも注目です。

 

小林 崇志(GT300)

2010年の鈴鹿戦で見せた「一発の速さ」には定評のある小林崇志。しかし昨シーズンは成績が低迷、ホンダのシート(=GT500のシート)を失ってしまいます。

普通ならここで心が折れてしまいそうな場面ですが、彼は今シーズンの開幕戦・岡山でキラリと光る走りをアピール。心機一転、移籍したチーム・アップガレージに初優勝をプレゼントします。今季はかつてのライバル・中山友貴とコンビを組む小林。「一度爆発させると怖い」彼から、今後も目が離せません。

 

谷口 信輝(GT300)

Photo by Ngchikit – license

今や「ミスターGT300」の呼び声も高いドライバーが、谷口信輝です。

レーシングドライバーとしては珍しく、カートやミドルフォーミュラなどを経験していない「生粋の走り屋」としても多くの人が知るところでしょう。彼の持ち味は、何と言っても順応力の高さ。どんな状態のマシンでもしっかりアジャストして、常に上位に食い込むその腕前はさすがとしか言いようがありません。かつての土屋圭市氏や織戸学氏のような「雑草魂」を受け継ぐ彼の走りは、今シーズンも多くの見せ場を作ってくれるでしょう。

 

2018年のシリーズを見るポイント

GT500クラスは開幕前のテストでこそ日産陣営の開発の遅れが気になりましたが、いざシーズンが始まってみると3ワークス(レクサス、日産、ホンダ)の実力は非常に拮抗した状態となっています。

確かに開幕戦のみを見ると、ホンダ勢の強さが目立った部分はありました。ただ、レクサスや日産も「このままでは終われない」という気持ちがあるのは事実。さらに見ごたえのある戦いが続くこと必至です。

一方GT300クラスはドライバーの移籍が多く見られ、マシンの感触に慣れるのがやっとという選手も少なからず見られます。どのドライバーがいち早くマシンを手懐けることができるか、ベストなセッティングを見つけることができるかというところがカギとなってくるでしょう。

またベテランも多く出場しているので、熟練のドライビングテクニックも堪能できるのも楽しみのひとつです。

まとめ

当初はル・マン24時間の車両規定に近いかたちで始まった、日本のGTレース。その後は独自の道を歩み、近年は海外のレースとの交流も積極的におこなわれています。

想像を絶する迫力と熱気、そして興奮。SUPER GTは、まさにクルマの一大エンターテインメントと言うことができるでしょう。

TV観戦も楽しいですが、ぜひ実際にその雰囲気を味わってみて頂きたいというのがいちファンからの切なる願いです。皆さんで、モータースポーツをもっとカジュアルにエンジョイしましょう!

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