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新型デリカD:5とCX-8を比較!

 2019/01/04 ファミリーカー情報  

2018年度内に発売予定として2018年12月21日に発表された、三菱・新型『デリカD:5』。

デリカD:5はアウトドアテイストや4WD技術による高い走破性能など、他のミニバンと一線を画したキャラクターが特徴。その独自性から熱狂的なファンも多いモデルです。

広さや便利さが前面に出がちなミニバンにおいて、クルマとしての魅力を高めたことが長らくクルマ好きを惹きつけ続ける理由の一つでしょう。

そうすると思い浮かべるのは、都会的なデザインに大きく特徴を振り、同じくクルマ好きに向けて存在感を高めたマツダ・CX-8の存在。

クルマ好きにとってはライバルとなりそうなこの2台、実際に比較してみるとどうなのでしょうか。早速見ていきましょう。

新型デリカD:5とCX-8のボディを比較

サイズ

新型デリカD:5とCX-8のボディサイズを下表にまとめました。

新型デリカD:5CX-8
全長4,800mm4,900mm
全幅1,795mm1,840mm
全高1,875mm1,730mm
ホイールベース2,850mm2,930mm
最低地上高185mm200mm

ノアなどのいわゆる「5ナンバーミニバン」の全長4,700mmからすると、大柄であったデリカD:5。しかし、CX-8の全長はさらに長く、最小回転半径も5.6mに対し5.8mと、運転が苦手な方には取り回しなどネックになり得ます。

意外なのは最低地上高がCX-8の方が高いこと。とはいえ、その差は微々たるもの。SUVのCX-8と同等のクリアランスをミニバンで実現しているのだから、驚きともいえます。

ちなみに、デリカD:5の最低地上高はマイナーチェンジ前は210mm。下まわりの形状変更による差で、実質の走破性に影響しないとのこと。デリカD:5が高い走破性を誇るSUV顔負けのミニバンであることには変わりないのは朗報ですね。

重量

新型デリカD:5の車両重量は、1,930~1,960kg。マイナーチェンジ前の同じAWD+ディーゼルで1,880~1,910kgですから、AdBlueが必要な新型ディーゼルエンジン、8速AT、遮音材追加、各種安全装備のアップデートなどなど…、内容充実に伴う重量増は避けられなかったようです。

燃費には多少影響するでしょうが、トルクアップやドライブトレーン、電動パワステなど燃費向上策も多々導入されているため、ネガティブにとらえる必要はないでしょう。

一方CX-8の車両重量はAWDモデルで、1,860~1,900kg。スライドドアや大柄な3列シートなどのメリットを考えると、新型デリカD:5は十分健闘しているとも思えます。

しかしながら、CX-8はシャシーの設計が新しく、3列シート車でトップクラスの衝突安全性を備えます。新型デリカD:5はシャシーがキャリーオーバーですから、この点が不利であることは頭の隅に置いておくべきでしょうね。

居住性

2列目

2名掛けキャプテンシートと3名掛けベンチシートを選べるという点では、新型デリカD:5もCX-8も同じ。CX-8は、Lパッケージにおいて大型センターコンソールをもつ2名掛けが選べる点が差異です。

シート自体はどちらも大柄で膝周りも余裕があるため、ゆったりと座れます。CX-8は当然ながら頭上空間が不利ではありますが、身長178cmの私でも余裕があり狭いとは感じません。

違いが出るのはセンタートンネル。CX-8はトンネル部分に盛り上がりがあるため真ん中に座ると窮屈に感じます。後席用エアコンの吹き出し口があることも圧迫感に繋がります。

3列目

3列目は居住空間もシート自体の作りも、デリカD:5が圧倒的に優れています。デリカD:5は5ナンバーミニバンより長い全長を活かし、快適に座ることができます。

デリカD:5の美点は3列目がスライドできること。セレナもオプションでスライドできるようになりますが、デリカは標準でスライドできます。荷物がほとんど置けなくなるほど後ろにずらせば、3列目であってもゆったりと座れます。

シート自体の厚みも大きさもデリカD:5の方が上。CX-8も3列シートSUVとしてはしっかりとしたシートですが、デリカD:5も3列目シートの造りには定評があり、軍配はデリカD:5か。

着座姿勢としてはもう少し座面前端が上がっていて欲しい気もしますので、ぜひ実車でチェックを。

乗り降りについても、CX-8は背もたれにてワンタッチで乗り降りでき、3列シートSUVの中では随一の乗り降りのしやすさ。対するデリカはミニバンの乗降性です。

室内高とスライドドア開口部の広さから、乗り込みも2列目からのウォークスルーも比較にならないほどしやすいです。フロア位置は両車とも高いため、小さな子供は乗り降りに苦労しますが、総じてミニバンの快適さを持つデリカは魅力でしょう。

新型デリカD:5とCX-8のパワーユニットを比較

新型デリカD:5のパワートレーンは、 全車が2.2リッターのディーゼルと8速ATを搭載して、駆動方式は4WDのみとなったことが最大のトピック。全体の9割を占めていたこの組み合わせに絞ってマイナーチェンジされています。

ここでは同じCX-8のディーゼル+AWDのモデルに絞って比較していきましょう。

ちなみにガソリンエンジンモデルは、従来型を併売する予定だそうです。

燃費

新型デリカD:5もCX-8も直4 2.2Lの直噴ディーゼルターボと共通点を持ちます。デリカはJC08モード燃費しか公表されていないため、こちらで比較したのが下表。

新型デリカD:5CX-8
13.6km/l15.4km/l

重量差はCX-8の方がやや軽いとはいえ4%の差ですから、ボディ形状の違いによる空気抵抗の差や、エンジン自体の燃費性能が反映されているものと考えられます。

出力

次は出力の比較です。

新型デリカD:5CX-8
最高出力 107kW(145ps)/3,500rpm 140kW(190ps)/4,500rpm
最大トルク 380Nm/38.7kgf・m/2000rpm 450Nm/45.9kgf・m/2000rpm

排ガス浄化に尿素SCRを採用した新型デリカD:5。 4N14という型式こそ変化ないものの、燃焼室形状の変更やフリクションの低減など多々改良を加えられ、最大トルクは360Nmから5%アップの380Nmとなりました。

一方でCX-8もマツダ最新ディーゼルSKYACTIV-Dを搭載し、最高出力と最大トルクともに上回る数値を誇っています。さらにSKYACTIV-Dは、ディーゼルとしては高回転までスポーティーに回るという特徴も併せ持ちます。

出力ではCX-8に軍配が上がっていると言えそうです。

トランスミッション

これまでデリカD:5は6速ATが使われていましたが、今回から8速ATに進化しています。以前の6速ATは典型的なトルコンATらしい制御で、ダイレクト感に欠けるフィールでした。

新しい8速ATの詳細は発表されていませんが、エクリプスクロスのディーゼル仕様へ搭載予定として発表済みのアイシンAW製のFF向け横置き8速ATではないかと思われます(ギア比等仕様は違えど) 。

ATトップシェアのアイシンAW製のこの8速ATは、ボルボやプジョーにも採用されて定評があります。 実際、新型デリカの8速ATはダイレクト感も高まった上、リズム良く変速するため、ワインディングなどで小気味よく走れると評論家にも好印象でした。

一方、CX-8はSKYACTIVE-DRIVEの6速トルコンAT。ロックアップ領域を拡大し、アクセル操作に対するダイレクト感が特徴的です。一方でマニュアルシフト操作に対するレスポンスは要改善といった印象。

高速巡航時のエンジン回転数も少し気になるところで、今後高速道路の最高速上限が110、120km/hと上がっていくことを考えると今後は8速化を希望してしまいます。

トランスミッションについてはデリカD:5に軍配が上がると言えるでしょうか。

AWD機構

新型デリカD:5もCX-8も電子制御カップリングで前後輪のトルク配分を行う、アクティブトルクスプリット方式の4WD機構を備えています。LSDは持たずにブレーキでLSD相当の制御をする点も同様です。

新型デリカのAWDは駆動力配分へのヨーレートのフィードバック追加や、ブレーキによるLSD制御の強化により、より自然で的確な駆動配分ができるように改善されています。

では、AWDとしての悪路走破性は同等なのかというと、結果としては新型デリカD:5の方が上と言えそうです。

CX-8に搭載されるi-ACTIV AWDは、端的に言うと効率最優先。前輪の滑りを防ぐためのAWDという発想があるため、必要最低限のAWDシステム容量しか確保されていません。

例えばクロスカントリー的な路面で対角2輪が浮いたような状況で登坂すると、i-AWDは一定以上のトルクが掛からないような保護機構が働き、うまく登坂できなくなるケースがあります。

一般ユースを考えると稀なユースケースであるため、i-ACTIV AWDは割り切ったと考えられます。想定ユースケース以上の容量や信頼性を確保しようとすると燃費や価格へ影響が及ぶためです。

一方でクロスカントリーな厳しい路面での用途も考えられるのであれば、CX-8では能力不足。デリカの方が用途に合っていることになります。

AWD性能をどこまで求めるか事前に考えを整理しておくことが必要そうです。

新型デリカD:5の快適装備

エアコン

左右独立式オートエアコン、リア独立式エアコンを装備している点では両車同じです。CX-8ではリアにもオートエアコンを装備している点は異なります。

マイナーチェンジ前はリアは風量調整のみで独立した温度調整ができない、寒冷地では3列目暖房性能不足があるなど(オプションでリアヒーターがあった)、弱点があったのですが、今回この2つのネガをつぶしています。

差異として吹き出し口の設置個所があります。

天井に吹き出し口があるデリカに対し、CX-8はセンターコンソールに配置さ。2列目のクーラーの効き始めは冷風が直接当たるCX-8も悪くないのですが、寒すぎたり3列目までなかなか冷風が届かなかったりとイマイチな点もあるのも確か。天井部にある方が自然な調整がしやすく、乗員全体の快適性では新型デリカD:5に部があると言えそうです。

カーナビ

新型デリカD:5ではナビ画面も大型化。10.1型の大型ディスプレイを搭載しました。一方のCX-8は7インチ。地図だけでなく、エンターテインメント系やリアカメラ画像など大型の方が見やすいに越したことはありません。

CX-8のナビのメリットは本体自体は標準搭載されていること。3年分の地図データを5万円弱で購入します。標準搭載するメリットとしては、自動ドアロックやクルコンなど細かな車両の設定をナビ画面を通してできるとにあります。逆に社外品のナビに実質変えられないのは、大きなデメリットにもなりえます。

充実した新型デリカD:5の安全装備

最近ではデリカD:5の決定的な欠点となっていた先進安全装備。 今回のマイナーチェンジでは大きくテコ入れされました。

賛否両論のフロントマスクの大変更も、対歩行者の衝突安全性強化のためのフロントセクションの設計変更がきっかけとされています。先進安全性能の獲得が一つの大きなテーマであったことは間違いありません。

自動ブレーキ(予防安全)

新型デリカD:5には、~65km/hの歩行者対応というトップクラスの自動ブレーキを搭載しました。システムも単眼カメラへミリ波レーダー/赤外線レーザーを組み合わせる最近主流のシステム。

予防安全機能新型デリカD:5CX-8
対車両約5~180km/h約4~80km/h(※1)
対歩行者約5~65km/h約10~80km/h
夜間歩行者検知
AT誤発進抑制後退
(前進時は確認中)
前進/後退
後退時車両検知警報
後側方車両検知
車線逸脱警報

※1: 80km/h以上の高速移動時は一部グレードにスマートブレーキ(SBS)として装備

標準装備の範囲や細かな仕様まではここでは割愛しますが、2車は同等の機能を選択可能と言えそうです。

把握しておきたいポイントは、CX-8は2018年末の商品改良で追加された「夜間歩行者検知」。他社でも一部車種でしか対応できていない先進機能ですので、チェックしておきたいですね。

クルーズコントロール(半自動運転)

自動ブレーキと合わせて電動パーキングブレーキも採用されたことで、クルーズコントロール機能も大幅に強化された新型デリカD:5。

大きな差異はレーンキープアシスト。車線逸脱警報があり電動パワステへの変更も入っていることから搭載できそうに思えますが、残念ながら見送られたようです。

新型デリカD:5CX-8
前車追従
停止保持
レーンキープアシスト

その他先進安全装備

その他にも最新モデルだけあって様々な先進安全装備が用意されています。

新型デリカD:5で特徴的なのは360度ビューモニターの画像を表示することができるルームミラー。ミラーとモニターの視線移動が少なくて済みます。

CX-8は、アダプティブヘッドライトと歩行者保護のアクティブボンネットが特徴的です。アダプティブヘッドライトは光の照射範囲を12分割して、走るシーンや対向車などの状況に応じて部分的に点灯・消灯を切り替えるもの。的確でスピーディーに切り替わります。

新型デリカD:5CX-8
自動ハイビーム切替
アダプティブヘッドライト
交通標識認識
360度ビューモニター
アラウンドモニター付きルームミラー
自動防眩ルームミラー
アクティブボンネット

新型デリカD:5とCX-8の価格を比較

装備品の違いから単純な価格比較は難しいのですが、ディーゼル+4輪駆動、安全装備が充実したグレード同士を比較してみます。

新型デリカD:5
P
CX-8
XD PROACTIVE AWD
421万(予定)3,925,800円

新型デリカD:5のPグレードには、360度モニターや電動テールゲートが含まれている点がポイントです。一方CX-8は5万円程度の地図データ代でナビが付けられます。

多少の差異はあるものの、似たような価格帯であると言えます。

価格を抑えようと思うと、FFでNAガソリンエンジンを選べばCX-8は300万円を下回る価格を選べます。新型デリカD:5では最低価格が385万円ですから、高価格帯への割り切った印象です。

まとめ

現行の発売(2007年)から時間がたったため、先進安全装備の面で大きく遅れを取っていたデリカD:5。今回のビッグマイナーチェンジで大きくテコいれされ、ライバルに引けを取らない内容になりました。

走行性能の面でもエンジン・ドライブトレーンはもとより、剛性向上や足のセッティングの大幅な見直しによってオンロード・オフロードともに評判の良いものとなっています。オフロード好きから間口を広げようとした新しい顔つきには賛否両論ありますが、乗り味としてはデリカ好きを裏切らないものとなっていると言えるでしょう。

個人的にもマイナーチェンジ前のデリカは大いに迷ったのですが、断念した1番の理由は先進安全装備と静粛性。超長距離を乗ることが多い我が家にとっては、無視できない欠点でした。

しかし、今回の機能改善では当時気になっていた点はほぼ解消されました。残るはレーンキープアシストでしょうか。

私個人の好みとしては、都会向け仕様の「URBAN GEAR」と顔を大胆に分け、標準モデルはもっと高級感のある大人っぽいオフロード顔を模索してもらいたかったです。

とは言え、エクステリアが気に入れば、アクティブに出かけるユーザーにとって非常に魅力的なモデルに進化したのは確かでしょう!

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