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CX-8の燃費はコストを含めるとハイブリッド並み!実燃費まとめとライバル比較

 2017/12/01 ファミリーカー情報  

マツダの3列シートSUV、CX-8はクリーンディーゼルの2.2L SKYACTIV-Dを搭載されていることが特徴です。

ディーゼルエンジンは、圧倒的なトルクと燃費性能の良さ、燃料コストの低さが魅力ですよね。

一方、燃費の良さだけであれば今やハイブリッドこそダントツの低燃費。「ディーゼルは燃費がいい」とはよく聞きますが、実際にどれだけいいのか疑問に思いませんか。

今回の記事では、カタログ燃費はもちろん、実燃費やライバル比較、そして採用されている省燃費技術を通して、CX-8(KG)の燃費を細かく見ていきたいと思います。

私の車(XD PROACTIVE AWD)で6,000km走った実燃費も付記しておきました。

カタログ燃費(JC08モード)

まずはカタログ燃費からチェックしてみます。

駆動形式 グレード 燃費(km/l)
FF XD 17.6
FF XD PROACTIVE 17.6
FF XD L Package 17.6
4WD XD 17.0
4WD XD PROACTIVE 17.0
4WD XD L Package 17.0

FFは17.6km/l、4WDは17.0km/lという非ハイブリッド車としては高い水準他社のMサイズミニバンのガソリンエンジンモデルが15-17km/lですから、CX-8はトップレベルの燃費性能となっています。

4WDでの燃費低下も少ないのがマツダの「i-ACTIV AWD」の特徴。同様にMサイズミニバンの他社4WDが15km/l台なので、17.0km/lが存外に良い燃費だということがわかります。

ボディサイズ的にはLサイズミニバン級ではありますが、Mサイズミニバンと比較できるほどの低燃費ということですね。

一方、Mサイズミニバンのフルハイブリッド車の燃費は23.8-25.0km/lとさらに上を行きます。

しかしながら、気になるのは「何L消費するのか」よりも「何円かかるのか」ですよね。ハイオク130円、レギュラー120円、軽油100円として、燃料コスト含めて試算してみたのが下表です。

車種 油種 燃費(km/l) コスト(円/km)
ステップワゴン SPADA ハイブリッド レギュラー 25.0 4.8
CX-8 経由 17.6 5.7
ステップワゴン G レギュラー 16.2 7.4

現状、ミニバン随一の燃費性能を誇る「ホンダ ステップワゴンSPADAハイブリッド」にはかないませんが、ガソリンモデルとは大きく差がついていることがわかりました。

街乗りでの実燃費

次に走行するシーンごとの燃費を見ていきます。

最初は街乗りのシーンから。ストップ&ゴーが多いため、車重が重いCX-8には苦手なシーンでもあります。

使用するデータは、実燃費に非常に近い値が出るWLTCモードのカタログ値、自動車評論家の測定値、一般ユーザーの口コミを使います。そして、AWDではありますが私の実燃費も参考値として載せておきます。

自動車評論家のデータとしては「オートックワンの燃費レポート(マツダ 新型CX-8 燃費レポート|意外と良いぞ!?話題の3列シート・7人乗りSUVの実燃費を徹底検証!)」から、一般ユーザーの口コミ情報としては表中のリンクから引用させていただきます。

情報元 燃費(km/l)
WLTC 12.7
オートックワン記事 13.6
口コミ1 9.5-11.5
口コミ2 9
筆者の所有者(AWD) 12-13

JC08モードのカタログからはさすがに下がりますね。1.8tを超す車重を考えると10km/lを下回りそうな気もしたのですが、アイドリングストップが効いているのか12-14km/l位は期待して良さそうです。

ちなみに、2017年からチラホラ見かけるようになった「WLTCモード」という燃費表示。

WLTCモードは燃費計測の方法の一つで、世界共通の燃費の測定方法として作成されました。現在国内の主流は「JC08モード」ですが、国土交通省も今後は燃費表示をWLTCモードへ移行していくことを発表しています。

ステップワゴンSPADAハイブリッドの実燃費調査でも実燃費と同等の値となってい ることを実感していて、WLTCモードの計測値は信頼できると思ってよさそうですよ。

郊外路での実燃費

次は流れのよい郊外路。

ストップ&ゴーが少なく平均車速の低さから空気抵抗も小さいため、高燃費がマークできることがあるシーンです。

一般ユーザーの口コミに郊外路だけを測定した結果がなかったのが残念ですが、少し低めに出ているようでてますね。

私は15-16km/lですがまだ伸びしろがあるように思っています。60km/l位の高めの速度で定速走行すると瞬間燃費計が30km/l前後を指すので、この領域をうまく使うと一般道でもかなりの高燃費を狙える可能性がありますね。

情報元 燃費(km/l)
WLTC 15.7
オートックワン記事 17.5
口コミ1 11
筆者の所有者(AWD) 15-16

高速道路での実燃費

最後は高速道路の燃費です。

一般的に高速道路を巡行するのが最も効率がよく、燃費も伸びやすいシーンです。しかしミニバンにおいては車重やボディの空気抵抗が大きいため、エンジンパワー等のバランスによっては思ったように伸びない車種もあります。

CX-8もミニバン同様に車重もボディサイズも大きいため不利ではありますが、ディーゼルエンジンにとっては最も得意する状況でもあります。

ディーゼルエンジンは低回転でのトルクと効率に優れます。爆発回数が少なくゆっくりでも一発一発が力強いというわけ。高速道路では重いギアをゆっくり力強く回すことで燃費としては効率が良くなります。

測定結果としては、JC08モードのカタログ燃費を上回るケースが多数でした。WLTCさえも上回ることも。CX-8オーナーさんから20km/l超えした話も聞きますので、運転の仕方次第ではまだ伸びしろがありそうです。

私の17-18km/lは夜間で流れが良い時で、追い越し車線も使うようなそこそこのペースでの数値。80km/lなどの燃費重視での数値ではありません。同じ区間(600km程度)をヴォクシーHVと一緒に走りましたが、14-15km/lだったそう。高速では箱型ミニバンのハイブリッドよりも優れた燃費を得られたことをメモしておきます。

情報元 燃費(km/l)
WLTC 18.0
オートックワン記事 19.0
口コミ1 17-18
口コミ2 16
筆者の所有者(AWD) 17-18

実燃費を比較!

ライバルモデルと実燃費を比較

つづいて、ライバルとの比較もしてみたいと思います。

ライバルとしては、同じくWLTCモード燃費を公表している「ステップワゴンSPADAハイブリッド」としてみます。

「ステップワゴンSPADAハイブリッド」は、モーターの持つ大トルクで駆動するためそのパワー感が高評価されています。ディーゼルエンジンもトルク重視ですから、箱型とSUVでボディ形状としては違えど同じトルク重視のパワーソースということになりますね。実質の価格も似てきていますし。

  CX-8 ステップワゴンSPADAハイブリッド
街乗り(km/l) 12.7 18.8
郊外(km/l) 15.7 21.7
高速(km/l) 18.0 19.5

さすがに敵いませんね。。全シーンでハイブリッドの効率の良さが全面に出ています。

一方、注目したいのは高速道路燃費。

ステップワゴンSPADAハイブリッドの実燃費は20km/lには達成していません。一方でCX-8は上述の通り20km/lを超える可能性があります。

これにさらに20円/Lの燃料コスト差がありますから、高速道路での長距離移動をする機会が多い方にとっては、CX-8は最新ハイブリッドモデル並みのコスパのいい相棒になってくれそうです。

かくいう私も、アウトドアや帰省や旅行やと遠出が多いんです。CX-8のGT性能と燃費はいい味方になってくれそうです。

CX-8が採用している燃費対策とは

SKYACTIV-D 2.2L

CX-5にも搭載されているSKYACTIV-Dシリーズの2.2L版が搭載されています。

CX-5からさらに改善された燃費向上ポイントについて説明していきます。

理想的な燃焼の追求

エンジンの効率を上げようとしたとき、同じ量の燃料からいかに多くのエネルギーを取り出すかというのが一つのポイント。

「いかに上手に燃やすか」ということです。

ディーゼルエンジンは圧縮して高温になった空気の中に燃料を吹き込み燃焼させます。このとき、何も考えずに必要な燃料を吹いてしまうと、壁面に付着して大きな水滴になってしまったり、一部だけが濃くなったりして上手く燃え切らせることができません。しっかりと空気と燃料を混ぜながら燃焼させることが肝心です。

そこで、なるべく細かい霧を事前に少し吹く「プレ噴射」、「メイン噴射」、燃え切らせるための「アフター噴射」のように段階的に吹くことで、段階的に燃やしています。CX-8では次世代のインジェクターの採用で、この多段噴射を最大6回と非常に細かく実現できるようになりました

といっても、いつでも6回吹いているわけではなく、そのときどきの状況に合わせて緻密にコントロールされています。回転数によって混ぜたり燃やしたりする時間が変わりますし、入ってくる空気の勢いも異なります。必要なトルクに応じて吹く燃料の量も違ってきます。この状況に合わせて、プレを2回とかメインを2回とか、非常に緻密に変更することによって、全域で効率的な燃焼ができるようになっています。

燃費だけでなくトルクの向上にも効果を発揮していますね。

また、ゆっくり燃焼させることで爆発のピーク期間を引き延ばし過度の燃焼圧力の上昇を避けることで、ディーゼル特有のカラカラというノック音をさらに低減することができています。

損失の低減

高効率化へのもう一つのアプローチが損失の低減。

せっかくキレイに燃焼させたガスも、冷めてしまうと力強くピストンを押すことができません。燃焼ガスの熱損失を避けることも重要なポイントです。

新形状のピストンでは、シリンダーの壁面から燃焼ガスをより遠ざけられるようになっています。さらに、段が付いたことで気流をコントロールし、シリンダーの天井とピストン上部のスキマに逃げ込むガスも減らすことに成功しています。

このことによってシリンダーの壁から外に逃げる熱を減らしています。非常に地味ですが、高効率化は地道な改善の積み重ねであることがわかりますね。

また、エンジン始動直後のまだ冷えた状態ではこの熱損失がより大きくなってしまいますから、早く暖めたいですよね。CX-8では、この冷間状態での冷却水の循環を抑える弁も採用されています。

温まるまでは冷却を制限して早く暖気を完了させることで、早くシリンダー内のオイルをやわらかくして抵抗を減らせるようになったそうですよ。

まとめ

「マツダ CX-8」の燃費について、カタログ燃費や実燃費のチェック、ライバル比較などを行ってきました。

CX-8は街乗りでも12km/lを下回らない実燃費を達成し、高速道路では20km/l以上という燃費も期待できるようでした。

軽油の安さも相まって、燃料コストという面から見るとハイブリッドとガソリン車の中間に位置します。高速道路では、ハイブリッド車を上回る燃料コストも十分にマークできる実力を持ちます。

トルクフルなエンジンと快適なオートクルーズも手伝って、我が家のように長距離の旅行やアウトドアが好きな方には魅力的な一台。おススメです!

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