新型CR-VとCX-8を比較!

8月30日に発表・発売されたばかりの、ホンダ・新型CR-V。今回の目玉は、何と言っても3列シートの7人乗りグレードが新たに設定されることでしょう。
そうすると思い浮かべるのは、昨年の発売以来好調なセールスを維持し続けているマツダ・CX-8の存在。ライバルとなりそうなこの2台、実際に比較してみるとどうなのでしょうか。
新型CR-V発売後に判明した情報ベースで解説していきます。ぜひ参考にしてください!(2018/9/15更新)
Contents
新型CR-VとCX-8のボディを比較
サイズ

新型CR-VとCX-8のボディサイズを下表にまとめました。
新型CR-V | CX-8 | |
全長 | 4,605mm | 4,900mm |
全幅 | 1,855mm | 1,840mm |
全高 | 1,680mm 4WD: 1,690mm | 1,730mm |
この2車のサイズの大きな違いはその全長にあります。
ノアなどのいわゆる「5ナンバーミニバン」は4,700mm前後。CR-Vはそれを下回る一方、CX-8は大きく上回りアルファードクラスに達しています。
運転の苦手な方にとってはCX-8の全長が一つのネックになり得ます。駐車場スペースから頭がはみ出すこともしばしば。
全長の差は大きな選択ポイントになりえるでしょう。
また全長の違いからホイールベースにも違いが当然出てきており、新型CR-Vは2,660mm、CX-8は2,930mmとなっています。この差は居住性などにも影響を及ぼすものなので、見逃せない部分ですね。
重量

新型CR-Vの7人乗りの車両重量は、1,590~1,680kgとカタログ巻末に記載されています。日本仕様の先代モデルが1,460~1,540kgであったことを考えると、やはり重量の増加は避けられなかったようです。
確かに燃費などには影響がないとは言えませんが、この程度の違いならあまりシビアに考える必要もないでしょう。
一方CX-8の車両重量は、1,790~1,890kg。こうやって見てみると、新型CR-Vはかなり軽量に仕上がっていることがわかりますね。もちろん、ボディサイズの違いなども効いているのでしょう。
居住性
2列目

2列目シートの居住性に関しては、ホイールベースの違いがとても影響する部分となります。
先述のように、新型CR-Vのホイールベースは2,660mm、CX-8は2,930mm。CX-8の2列目は大人が乗っても不満はなく、膝のスペースもしっかりと取られているため圧迫感を感じることはありません。
もちろん数値上は新型CR-Vのホイールベースも決してショートというわけではないですが、CX-8に乗った後に座ってみると少々足元のスペースが狭く感じられるかもしれません。
3列目

ここは両車の考え方の違いが、もっとも出てくる部分と言えるかもしれません。
CX-8はリアオーバーハングをいっぱいまで稼いで居住性を確保しているのに対して、新型CR-Vは2列5人乗りとボディを共有するという制約から3列目シートのスペースの余裕はあまり感じられません。

座り方にも違いが出てきて、CX-8は大人でもくつろげますが新型CR-Vはボディサイズの制約上なかなか難しいところがあります。実際に座ってみることができましたが、身長175cmの男性が座ると「体育座り」的ポジションになってしまって長距離の移動は現実的ではありません。
こういったことから新型CR-Vの3列目は、あくまでも緊急用と割り切ったほうが良いかもしれません。
荷室
3列目収納時

CX-8の3列目収納時のラゲッジスペース容量は、572L(VDA法)と公表されています。これはSUVとしてはかなり優秀な数値で、買い物などで荷物の置き場に困ることはほぼないでしょう。シートも下まで沈み込むので、ラゲッジスペースの段差もありません。

一方新型CR-VもCX-8ほどではありませんが余裕のある荷室は確保されています。
惜しいのは、シートと荷室の間に段差があること。後方のラゲッジボードの高さを変えればフラットにもできますが、ひと手間かかるのが好みの分かれるところです。
2列目収納時

2列目シートを収納した状態でのCX-8の荷室長は、1,890~2,320mmです。これだけのサイズがあれば、ちょっとした家具などを買っても余裕で持ち帰ることができます。もちろん荷室はフラットになるため、積み降ろしも楽におこなえます。

一方、新型CR-Vの7人乗りの室内長は2,520mm。正直な話、荷室のスペースはCX-8と比べると期待はできません。しかしそもそも両車のサイズはかなり違いがありますので、単純に「新型CR-VはCX-8と比べて狭いからダメだ」という話でもないのはお分かりいただけるかと思います。
新型CR-Vも必要十分なラゲッジスペースは確保されていますので、あとは用途に応じて選んでいけば後悔することはないでしょう。
タイヤサイズ

CX-8が17インチや19インチが用意されているのに対し、新型CR-Vは全グレード18インチタイヤ&アルミホイールが標準で装着されます。
確かに最近の高インチタイヤ&ホイールは乗り心地が格段に向上していますが、数字を見ただけで未だに拒否反応を示すユーザーもいることは確かです。そういったところもリサーチした上で、新型CR-Vは18インチというところに落ち着いたのでしょう。
見た目と走りの性能の両立を目指した、とも考えられますね。
新型CR-VとCX-8のパワーユニットを比較
燃費

気になる新型CR-Vの燃費についてはWLTCモードで10.0~12.0km/l(FF車の場合)の間に収まるのではないかというのが大方の予想です。これはガソリンエンジン車としては優秀な数値と言えるのではないでしょうか。ちなみに従来のJC08モードでの燃費はカタログ巻末に記載されており、こちらは14.6~15.4km/lとなっています。
一方でCX-8はといえば、FF車の場合で15.8km/lとなります。重量が新型CR-Vよりもかさむことを考えれば、こちらもかなり良い数値と考えることができますね。
出力

新型CR-Vに搭載されるパワーユニットは「L15」と呼ばれるものです。このエンジンにはレギュラーガソリン仕様とハイオクガソリン仕様が存在し、前者がシビックセダンやステップワゴンに、後者がシビックハッチバックに搭載されています。
新型CR-Vに搭載されるのはレギュラーガソリン仕様の「L15B」で、最高出力は190PS/5,600rpmを発生。一方のCX-8も最高出力は190PS/4,500rpmと、ほぼ互角の数値を誇っています。
ディーゼルとガソリンなので単純比較はできませんが、参考程度に頭に入れておいても損はないでしょう。
トランスミッション
新型CR-Vのトランスミッションは、ガソリンエンジン車についてはCVTを採用しています。クルマ好きには何かと敬遠されることの多いCVTですが、このCVTは北米仕様のCR-Vにも採用されるなど「実力派」のものとして「CVT不毛の地」アメリカでも高い評価を受けています。
「G-Design Shift」と呼ばれるこのCVTはエンジン回転と加速のフィーリングが合わない、いわゆる「CVTラグ」を解消。心地よい、自然な加速感を実現しています。
同じくCVTのフィーリングとしては評価の高いスバルの「リニアトロニック」と比べても、G-Design Shiftがものとしては「上」と評する評論家もいます。CVTのネガティブなイメージを一旦置いて、試乗して感じてみたいところです。
CX-8については、コンベンショナルな6速ATを搭載。ロックアップ領域を広くとったことが特徴で、アクセルペダルにダイレクトにリンクする感覚はクルマを運転している実感をより鮮明にしてくれます。
AWD機構

新型CR-VのAWD機構は、ホンダ独創の「リアルタイムAWD」を採用。雪道などでの高い走破性と、さらなる燃費の改善がなされている点がポイントとなります。さらに、前後のトルク配分を緻密に制御する新しいシステムが搭載されているのもトピックです。
CX-8には「i-ACTIV AWD」と呼ばれるAWDシステムが搭載され、路面の状況を常にモニタリングしながら最適な駆動力を自動制御しているのが大きな特徴となります。
新型CR-Vの快適装備

快適装備についてはどうでしょうか。
新型CR-Vではサンルーフのみといったオプションはなく、グレード別にサンルーフや本革シートなどがセットで設定される体系となっています。現状でサンルーフの設定がないCX-8と比較すると、ここはアドバンテージとなりえますね。

また新型CR-Vのルーフレールは、タイプ別装備となります。
サウンドシステムはCX-8がBOSE製のものを設定していますが、新型CR-Vに関してはホンダ車の用品を担当しているホンダアクセスのオリジナルブランド「Gathers」の7インチワイドサイズナビゲーション+8スピーカー(4スピーカー+4ツィーター)が標準装備。
現状ではオプションでもオーディオのシステムアップができないのが非常に残念ですが、サードパーティ製の拡張キットなどの発売に期待したいところです。
充実した新型CR-Vの安全装備
安全装備に関しては、予防安全デバイスである「Honda SENSING」が新型CR-Vには全車標準装備となります。ACCや自動ブレーキを統合制御することで、ドライバーの負担が減るようになるのは歓迎すべき点ですね。
自動車アセスメントの評価はまだ出ていませんが、衝突安全性能に関してもクラストップレベルのものになることは間違いなさそうです。
CX-8の方も「i-ACTIVSENSE」と呼ばれる独自の運転支援システムを装備。安全装備に関しては両車とも抜かりなく、甲乙つけがたいといった印象です。
近年関心が高まっている歩行者保護という観点について、新型CR-Vは歩行者を傷つけにくいデザインで対応。歩行者エアバッグのような保護デバイスは今回はないようですが、将来的にはレジェンドなどに搭載されている「ポップアップフード」が採用されるかもしれません。
新型CR-VとCX-8の価格を比較
価格は新型CR-Vが3,421,440~3,814,560円(7人乗りFF車の場合)、CX-8が3,196,800~3,958,200円(FF車の場合)となっています。価格的には近いものがあり、確かにライバルと言っても差し支えないでしょう。
新型CR-Vは以前と比較すると価格が上がった印象がありますが、車格も上がったことを考えると妥当な線とも考えられます。
まとめ
約2年のブランクを経て、いよいよ街を走り出した新型CR-V。ネット上での関心度も高く、一般ユーザーの試乗インプレッションなどの情報も見られるようになりました。
プレミアムSUVとして国内では独り勝ち状態であるCX-8の牙城を崩すことができるか、初代のような人気を取り戻すことができるのか?そのあたりも大いに気になるところですね。
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