ステップワゴン モデューロXの変更点まとめ

ホンダ車にさらなる個性と快適な走りを盛り込むことを目的に開発されたコンプリートカー、モデューロX。ホンダ車の純正部品を手掛けるホンダアクセスがプロデュースし、これまでN-BOXやN-ONEなどで展開されました。
その第3弾として2016年から販売されているのが、ステップワゴン モデューロXです。
「匠の技」をコンセプトとして掲げているこのクルマ、ノーマルモデルとの違いはどこにあるのでしょうか。ひとつづつひも解いていくことにしましょう。
エンジン、駆動系
まずは、エンジンや駆動系に関するスペックから見ていきましょう。このクルマの主なスペックは、以下の通りとなります。
エンジン | DOHC4気筒16バルブ VTEC+ターボ |
---|---|
排気量 | 1,496cc |
エンジン最高出力 | 150PS/5,500rpm |
エンジン最大トルク | 20.7kgf・m/1,600-5,000rpm |
駆動方式 | FF(前輪駆動) |
トランスミッション | CVT |
これらの数値、ノーマルモデルと比較してみるとどうなのでしょうか。
結論を言うと実はノーマルモデルとまったく同じ数値で、特にチューニングされているわけではありません。しかし後述するチューニングメニューにより、エンジンや駆動系に手を加えなくても実に気持ちの良い走りを実現しています。
もともと低速トルクの特性に優れたエンジンとCVTの組み合わせですので、日常使いではまったく不満を感じることはないでしょう。またパワーと燃費のバランスも良く、非ハイブリッド系のミニバンの中では群を抜いて優れたパワーユニットと言うことができます。
そしてパドルシフトも標準で備わっていますので、スポーティな走りを存分に愉しめるというのもポイントとなります。
ボディ、足回り
「ドライバーの意思にリニアに応えられる操縦性」を狙ったこのクルマ、最大の変更点は足回りにあります。
ノーマルモデルよりも15mmローダウンをおこなった、専用サスペンションを装着。もちろんただ見た目などを狙って低くしたのではなく、 低重心化による運動性能の向上が図られているのは乗った瞬間から感じ取ることができます 。もちろん安全装備である「Honda SENSING」も、この車高変化に合わせて再セッティング。ノーマルモデルと変わらない安心感を提供してくれます。
そして何より嬉しいポイントは、チューンドサスペンションにありがちなゴツゴツした乗り心地とは無縁のフラットライド感。これはドライバーのみならず3列目に座ったパッセンジャーでも体感することができ、従来のミニバンの乗り味とは一線を画す仕上がりとなっているのです。
さらに、このセッティングを実現したもうひとつの秘密はタイヤに隠されています。装着タイヤはノーマルモデルと変わらない「ブリヂストン・TURANZA ER33」ですが、このタイヤはもともとスポーツタイヤの「POTENZA」やコンフォートプレミアムタイヤである「REGNO」の中間に位置するモデルということで、優れた剛性感とグリップ性能が特徴です。
そのタイヤの性能を、ノーマルモデルでは活かしきれていない印象がありました。しかしモデューロXではその素質をうまく引き出すことに成功し、まさに「素材の味」を活かしたセットアップとなっているところは好ましいところと言えます。
エクステリア
モデューロXのチューニングメニューの柱のひとつとして先述した足回りのチューニングがありますが、これともうひとつの根幹となるのがエクステリアのリファインです。こちらにも、技術陣の「匠の技」というエッセンスが加えられてい
るのは言うまでもありません。
ノーマルモデルよりもさらに迫力を増したフロントグリルやエアロバンパーが装着されていますが、これらも見た目の効果だけを狙ったものではなく空気の流れを計算したデザインとなっています。ここを通り抜けた空気は専用デザインのエンジンアンダーカバーを伝って流速を増し、リアロアディフューザーで排出されていく…という流れです。
この手法は、まさにSUPER GT参戦マシンをはじめとする現代のレーシングカーにおける空力処理のセオリーそのもの。すべてにおいて意味がある設計となっており、クルマ好きにはそこもまた惹かれる要素となるのは間違いありません。
この空力デバイスの追加・変更は足回りのセッティングとあいまって、実際に走らせてみた時もその恩恵をしっかりと受けることができます。
たとえば車線変更や高速域でのコーナリング時において、車体がふらつかず4輪が安定しているところもこのチューニングの効果です。そしてリアタイヤの追従性が増してドライバーの思うままにラインがトレースできるのも、これらのアイテムが効果的に作用している証と言えます。
まさに、クルマ好きのツボを押さえたクルマづくりがなされているのです。
インテリア
インテリアはノーマルモデルと違いがあるのでしょうか。こちらもノーマルモデルとは異なり「上質さ」がさらに強まった仕上がりとなっていると表現できます。
スポーティモデルと言えばたとえば黒や赤いシート地に赤のステッチで雰囲気を上げるのが常套手段ですが、それでは質感の高さを訴えるには役不足です。そこでステップワゴン モデューロXではシックな色使いとし、どのようなシチュエーションにおいても若々しく躍動感を感じさせながら幅広い年齢層に受け入れられる質感を表現しています。
シート地には本革のようなスムーズな肌触りが魅力の「プライムスムース」と「ソフトウィーブ」のコンビを採用。スポーティモデルであることを忘れさせるような仕上がりは、おしゃれにこだわる女性の方には特にポイントが高いと言えるでしょう。
操作性に優れたインパネにはピアノブラック調の加飾が施され、こちらも上質な雰囲気を演出するのにひと役買っています。ステアリングは、もちろん本革巻き。手にすっと馴染む感覚で、ドライバーの意思を確実にクルマに伝えてくれます。この内装の仕上がりだけでもこのクルマを購入する価値は十分にある、と言うことが可能です。
専用オプション
専用フロアカーペットやドライブレコーダーが付いた専用ナビゲーションシステムなど、標準の状態で多くのアイテムが装備されるステップワゴン モデューロX。唯一オプションと言えるものは「2列目6:4分割ベンチシート」です。これを装着することにより、8人乗りとすることができます。またセンターアームレストも付いてくるので、さらに快適な移動が楽しめてくつろぎの時間を演出。価格も21,600円ですので、これは購入時に是非ともチョイスしたい装備として要チェックです。
価格
それでは最後に、価格を見ておきましょう。
グレード | 価格 |
モデューロX(7人乗り) | 3,665,000円 |
モデューロX(6:4分割ベンチシート装着車、8人乗り) | 3,686,600円 |
まとめ
ホンダ車を知り尽くした「匠」の集団である、ホンダアクセス。彼らの手によってさらに磨きのかかった「とっておき」のモデルとなったステップワゴン モデューロXは、どのような場面においても安定した走りを発揮してくれます。
グレードによってはノーマルモデルよりも30~120万円ほど高い価格設定とはなりますが、後付けパーツでは到底実現不可能な充実したチューニング内容ということを考えればむしろバーゲンプライスと言えるのではないでしょうか。
試乗車が置いてあるディーラーもありますので、購入を考えていらっしゃる方には是非試乗をおすすめします。ノーマルモデルとの違いは、走り出して500mもしないうちに感じ取ることができるはずです。
この「違い」にこだわりやプレミアム感を感じる方こそ乗って頂きたい、特別なステップワゴン。それが、ステップワゴン モデューロXなのです。
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